和式トイレから洋式トイレに変更する時は、各ポイントの注意点を踏まえて検討する事が大切です。
どちらもトイレという共通点はあるものの、似ているようで様々なところが異なるので、そのまま入れ替えられると考えるのは早計です。

まずはスペース的に設置可能か否か、空間やトイレの寸法を計測して、設置をシミュレーションするのが良いでしょう。
和式トイレの多くは床に段差があります。洋式に替える場合は段差をなくす必要があります。段差をなくすと壁も一部直すことになります。ただ単に便器を交換する場合よりも手間とコストが発生します。

床や壁を設置に合わせて整えたら、次は給排水設備の設置作業です。
新しい便器に合わせ、給水、排水位置を直します。便器も種類が多く、タンクレス、ウォシュレット一体型、システムトイレがあります。トイレの器具自体価格の巾があり、器具の選び方で全体の費用も大きく変わります。
また、便座にヒーターがついているタイプや、ウォシュレット機能を備える製品だと、コンセント設置を始めとした電気工事が追加となります。また換気扇がない場合は追加で付ける場合もあります。

トイレ工事に伴い、傷んだ箇所を発見することがあります。床に張ったタイルを撤去すると床下地の板が腐っている場合があります。水漏れ、湿気が原因でシロアリが発生していると土台まで被害が広がります。トイレに限らずリフォーム工事からシロアリ被害を発見し、駆除、被害個所の修理に広がることがあります。

シロアリ駆除は床下に薬剤を散布します。床下には基礎があり、潜れる範囲は限られます。トイレの工事中ですと床下に潜りやすいので、同時に駆除ができます。シロアリ駆除は家全体、1階部分に薬剤を散布、土台、柱にも薬剤を注入します。キッチンの床下収納、和室など数カ所から床下に入り施工します。しかし、工事を依頼する企業によっては、シロアリ駆除を請け負っていないので、そこが注意点の1つとなります。

工事が始まり床を剝がしてみると床下の状態が分かります。和式トイレがある家はほとんどの場合床下がコンクリートでなく、土になっています。床下の状態は通風、土の湿気に左右されます。床下は空気が停滞しやすく、常時湿気が生じると家に悪影響が出ます。湿気に触れる床などを傷めてしまいます。

特に、水回りは湿度が高くなりがちですから、空気の流れを考慮し、調湿する必要性が高まります。床下には基礎があり換気口から入った空気を遮り、換気が十分できない部分があります。床下換気扇を設置して強制的に換気する方法もあります。または土の湿気を抑えるため防湿フィルムを被せ、調湿材を敷いて湿気を抑えるのも有効です。

勿論、トイレ変更の工事のついでと言っても、追加の工事となれば費用が加算されるので注意です。
あえて湿気対策をしない方法もありますが、湿度が適切にコントロールできると、害虫の発生リスクが抑えられます。
これは長期的に考えて住宅リフォームのコスト削減の結果に繋がるので、湿度が高く工事の必要性が高い場合は、前向きに検討してみるのが賢明でしょう。

改めて和式トイレから洋式トイレへの変更を確認すると、洋式トイレ同士の交換よりも、基本的にトータルコストが高くつく傾向が分かります。
中でも、トイレの作業中に住宅の問題点が発覚し、追加工事や費用が発生するケースに注意が必要です。
このパターンは古い和式トイレを入れ替える場合に多く、最終的に当初の見積もり金額を大幅に上回る恐れがあります。その為、費用が掛かるとしても最初に念入りな調査が必要です。トイレだけでなく家全体状態が判断できる業者を選びアドバイスを受け、総額でいくら必要になるか詳細な見積もりを出してもらう事が重要です。

注意点において無視する事ができないのは、工事に数日の期間が不可欠で、工事中はトイレが使えなくなる問題です。
全体リフォームの場合は仮住まいをする場合もありますが、トイレのみのリフォームの場合はそうはいきません。仮設トイレを使うこともできますが、施主様もそこまで望みません。仮設トイレの設置スペースが確保できない場合も多いいです。トイレ周りに特に傷んでいる箇所がなく問題がない場合は工事の方法をシンプルにすれば1日で仕上げることも可能です。事前の入念な準備をして段取りよく工事をします。朝から始め、夕方には何とか使用可能にします。

最後にトイレ入口のドアですが、現状が内開きのドアの場合は外開きに変更するようお勧めします。費用は余計に掛かりますが、トイレ内で体調を崩し倒れた場合、ドアが開けられなくなる場合があります。また高齢者が使用する場合はあえて引戸にして入りやすくします。その際は廊下、トイレ床は段差が無いよう、バリアフリーになるようにします。

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