水回りの必須家電ともいえる洗濯機はレイアウト次第で家事動線が悪くなってしまいます。洗濯機を設置する場所として、洗濯パンのレイアウトもセットで考えるのが一般的ですが、中には洗濯パンがあるせいで自由に洗濯機が設置できないと感じたり、ホコリが溜まって掃除しづらいと感じたりしている方も少なくありません。そのため、洗濯パンは必要なのだろうか?と思うかもしれません。

そこで今回は、洗濯パンは必要なのか、洗濯機のレイアウトに失敗しないための秘訣とともにご説明したいと思います。

1. 洗濯パンって無くてもいいの?

洗面脱衣所やランドリールームのリフォームの際に、当たり前のように洗濯機置き場としてレイアウトされる洗濯パンですが、そもそも洗濯パンは必要な設備なのでしょうか?洗濯パンの役割をご説明したいと思います。

■洗濯パンって必要?

洗濯パンの設置は義務ではないので、洗濯機を設置するのに必須の設備ではありません。しかし、洗濯パンを設置することには大きなメリットがあります。

例えば、洗濯パンがあることで、洗濯機の重みや振動による床のへこみや傷を防ぎますし、洗濯機と床の間でクッションとなり防音効果もあります。

また、防水の役割もあります。洗濯機の振動や劣化で接続部の金具が緩み排水トラップとホースが外れてしまうと、洗濯排水が流れてしまいます。洗濯パンを設置していなければ、その排水は直接床に放出され水浸しになってしまいます。集合住宅であれば下階のお宅に流れてしまい、ご近所トラブルの原因になってしまうこともありますし、戸建てであっても、床下が水浸しになり床材や基礎部分の腐食の原因となってしまうこともあります。しかし、洗濯パンがあれば仮に水漏れが発生しても器となって床に直接放出されるのを防いでくれます。

さらに、湿度が高くなりやすい脱衣所などに洗濯機を設置する場合、洗濯機と床の間に結露が発生しやすくなります。特に冬場などは結露でカビが発生したり床材の腐食の原因になったりすることもありますが、洗濯パンがあれば、結露で床材が痛むのを防ぐことが出来ます。

このように、洗濯パンの設置は必須ではにものの、漏水によるトラブルを最小限に抑え、大切な家を守ることが出来るので、多くのリフォーム会社では設置を推奨しています。

■洗濯パンには種類があるの?

洗濯パンの設置にはメリットがあるものの、洗濯機のサイズや位置が制限されたり、掃除がし辛かったりするデメリットもあります。少しでも、そのデメリットを軽減するためには、自分の家に適した洗濯パンのタイプやサイズを選ぶことが重要です。洗濯パンには大きくわけて下記の種類やサイズがあります。

●フラットタイプ:枠に囲まれていて内部に凹凸のないフラットなタイプで、最も一般的なカタチです。

●かさあげタイプ:洗濯機の下に排水ホースが通せるように、四隅に高さがあるタイプです。枠ありタイプと枠無しのタイプがあります。洗濯機下にスペースがあるため、ホコリが溜まっても掃除がしやすいと人気です。

●給水栓付きタイプ:給水に必要な蛇口部分が給水栓として洗濯パンと一体化しているタイプです。壁に蛇口を設置する必要がないため、見た目がスッキリしているうえに、操作やメンテナンスもしやすいというメリットがあります。

サイズは3サイズが基本サイズです。

●幅640mm×奥行640mm:標準的な縦型洗濯機やドラム式洗濯機であれば入るため、最も一般的なサイズとして選ばれています。

●幅740mm×奥行640mm:大型ドラム式洗濯機に対応しています。

●幅840mm×奥行640mm:超大型ドラム式洗濯機や横幅がある二層式洗濯機に対応しています。

洗濯パンはネットショップやホームセンターなどで購入することも出来ますが、リフォームやリノベーション時は、住宅設備の一部としてリフォーム会社が手配、設置するのが一般的です。そのため、基本的にレイアウトのプラン段階で平面図に記載されますし見積書にも入っています。

2. 洗濯機のレイアウトに失敗しないために知っておくべきこと

洗濯パンとセットで洗濯機のレイアウトを考える際に、洗濯機が使いやすいように、どんな点を意識すれば良いのでしょうか?レイアウトで失敗しないために、洗濯機の種類ごとの注意点をご紹介したいと思います。

■ドラム式洗濯機は前方スペースを意識したレイアウトに!

洗濯機の種類によって、動作がスムーズに行える広さやレイアウトは異なるので、レイアウトを決める際には、どの種類でどのぐらいのサイズの洗濯機を使いたいか大まかに決めたうえで考えましょう。

例えば、ドラム式の場合は、設置スペースだけではなく、扉の開閉スペースの確保や開閉向きを意識したレイアウトが大切です。洗濯時の動作を考えると、扉が開閉できるかどうかだけではなく、その前に立ってかがみ込み、洗濯物を出し入れできるだけのスペースがあるかどうか、使う人の体型や動きを考慮に入れて十分なスペースを確保しましょう。扉を開いた状態で洗濯物を出し入れするための十分なスペースが無ければ、洗濯機の中を覗き込むことが出来ず、出し入れや掃除がし辛くなってしまいます。毎日のように行う洗濯を無理な姿勢で行うことで、ストレスになっているという方や、腰を痛めてしまったという方も少なくありません。

ドラム式洗濯機を使う場合は、壁から離れた位置にレイアウトするか洗濯機前方に十分なスペースをとるなど、どちらの開閉向きになっても十分なスペースが確保できるようにレイアウトすることを意識しましょう。

■縦型洗濯機は高さを意識したレイアウトに!

縦型洗濯機は上部から洗濯物を出し入れするため、かさ上げ洗濯パンを設置すると、洗濯機全体の高さが上がってしまい、低身長の人にとっては出し入れしづらくなってしまいます。蛇口の高さや給水ホースの接続位置も意識していなければ、かさ上げしたことで干渉してしまう場合もあります。蛇口の位置を高く設置したくても窓と干渉するケースもあり、蛇口は洗濯機の横の壁に設置する方が良い場合もあります。しかし、浴室のドアや脱衣所のドアが引き戸で蛇口が設置できなかったり、洗面化粧台や収納があったりする場合もあるので注意が必要です。そのため、洗濯パンの種類と洗濯機の種類の組み合わせ、さらに蛇口の位置や高さも確認しておきましょう。

また、収納棚の位置にも注意が必要です。縦型洗濯機は洗濯機上部に扉があるため、洗濯機の上に棚を設けると、扉の開閉タイプによっては干渉してしまうかもしれません。使いやすいように手が届く高さにこだわって設置した棚が、洗濯機の開閉の邪魔をして使いづらいということがあり得るのです。

そのため、上部に棚を設ける場合は洗濯機から十分な高さを確保したうえで設置することを忘れないようにしましょう。普段使いの洗剤などの収納は、洗濯機横に設ける方が、洗濯機に干渉せず使いやすい位置になるかもしれません。

3. まとめ

当たり前のように設置されている洗濯パンは、絶対に設置しなければいけないものではありません。しかし、床の傷防止や結露による腐食を防いだり、防音効果があったり、仮に漏水が生じても防水の役割を果してくれたりするので、設置した方が長く住むうえで安心です。洗濯パンにはフラットタイプ、かさあげタイプ、給水栓付きタイプがあり、サイズも3サイズあります。洗濯機のサイズや種類に合ったもの、見栄えや掃除のしやすさを考慮に入れたうえで選びましょう。また、ドラム式洗濯機か縦型洗濯機か、洗濯機の種類に合わせたレイアウトを意識することも大切です。

洗濯パンを含め、住宅設備機器や建材の役割、メリット、デメリットをしっかり確認したうえで取り入れていくことで、快適な暮らしを手に入れましょう。

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