築年数が経った家を建替えようと思ったら、再建築不可物件と言われ、建替えが出来ないことを最近知ったという方が増えています。今、家が建っていて生活しているのに建替えられないとはどういうことなんだろう?と納得がいかなかったり、期待していた新築への道を閉ざされたりしてショックを受けたりしている方も少なくありません。
建替えを考えていた一部の人が直面している問題、再建築不可物件とは何なのでしょうか?建替え以外の選択肢についてもご紹介したいと思います。
1. 再建築不可物件と言われたら?
再建築不可物件とはどのような物件のことなのでしょうか?いつの間にか、自分の家が対象になっているということはあり得るのでしょうか?再建築不可物件が出来ることと出来ないことを含め、ご説明したいと思います。
■再建築不可物件って何?
現段階で建物が建っていても、今の建築基準法の要件を満たさない建物は「再建築不可物件」として扱われます。再建築が出来ない、建替えが出来ない物件ということになります。
例えば、現在の建築基準法では、下記の条件に当てはまる土地に建っている家が再建築不可となります。
●道路に全く面していない土地
●入り口部分が2m未満の細い通路でしか道路へ出られない土地
●幅4m未満で法定の道路に該当しない通りにしか面していない土地
●路地部分が不足していて、避難経路として機能しない土地
家を新築したばかりの時は問題なかったものの、建築基準法の改正によって条件に当てはまるようになったり、新築時は周りの土地や道路が整備されていなかったものの、月日が経つ間に道路が整備されたり、近隣の家が建ったりして、いつの間にか自分の家が再建築不可物件に相当する建物になっているということはよくあります。今ある家を取り壊して更地にすることは出来ても、建物を再び建てることが出来ないため、建替えが出来ない物件として扱われることになってしまうのです。
基本的には、周辺道路などの立地環境が変わらない限り、法律上、今後も建替えることは出来ません。
■再建築不可物件に建替え以外の選択肢はあるの?
再建築不可物件に当てはまると、建替えという選択肢は閉ざされてしまいますが、だからといって、快適な家、理想の家に出来ないというわけではありません。再建築、建替えが出来ないだけで、リフォームやリノベーションは行えるからです。
ただし、大規模な修繕やリフォームも建築行為として扱われるので、役所による建築確認が下りず、リフォームの規模によっては再建築と同様、行えない場合もあります。特に2025年4月の建築基準法改正で審査が厳格になり、壁や柱、床や梁などの主要構造部の半分以上を修繕または取り替える工事や、大きな間取りの変更を伴う工事は原則困難になりました。
しかし、断熱性や気密性など性能を上げたり、インテリアテイストを大きく変えたりすることが出来るので、新築のような満足度が得られます。しかも構造部分に問題が無ければ、建替えの半分程の金額でリフォームやリノベーションが出来るため費用を抑えられるというメリットもあります。
2. 再建築不可物件のリフォーム・リノベーションで注意すべきこととは?
再建築不可物件にあてはまると、リフォームやリノベーションが出来るとはいえ、注意しておくべきことがあります。リフォームを成功させるために、どんな点に注意すべきかご説明したいと思います。
■建築確認申請が不要なリフォームにとどめる
建築=建築確認申請が必要ということなので、リフォームやリノベーションが行える内容は、建築確認申請が必要となるかどうかで判断できます。2025年4月の建築基準法改正によって、建築確認申請が必要なリフォームやリノベーションの範囲が増えたので、把握してその中でリフォームしなければいけません。
制限があるように感じますが、しっかりとプランニングして行えば、下記のように出来ることは沢山あります。
●建物の主要部分の1/2を超えない範囲のスケルトンリフォーム・フルリフォーム
●建物の主要部分の1/2を超えない範囲の耐震工事・耐震補強工事
●防火地域・準防火地域以外での10㎡未満の増改築
●内装・水回り設備の交換
●壁内部の断熱材交換 など
条件さえ守れば、スケルトンリフォームやフルリフォームを行うことも可能なので、快適な暮らしを手に入れることは出来ます。
ただし、築年数が古い物件は予想外の内部の腐食や劣化が見つかる可能性もあるので注意が必要です。構造に関わる劣化があると、リフォーム範囲が大規模になり、確認申請が不要な範囲に収まらない可能性があります。リフォームプランを細かく立てる前に、まずは構造部分や耐震性などの基礎部分の状態を出来るだけしっかりと確認してもらい、建築確認申請が不要な範囲で出来るかどうかをチェックしておくことが必要です。
■リフォーム会社選びが重要!
会社選び次第で選択肢の幅が大きく変わるので重要です。例えば、知識や技術のないリフォーム会社の中には、築古だからという理由だけで、問題が多いと決め込んでリフォームは難しいと断わる場合や、建替え以外の方法は無いと、住み替えを勧めてくる場合があります。反対に安易にリフォームが出来ると言う会社も注意が必要です。再建築不可物件のリフォームは上で取り上げた通り制限があるので、知識がない会社にお願いすると、時間をかけてプランを立てたのに、申請が通らず実現出来なかったり、予算内で出来なかったりして、時間も期待も奪われかねません。
しかし、会社によっては、築年数が数十年経っていても家の状態をしっかり確認して、リフォームは可能と判断し、予算内でどのような方法があるか選択肢を出してくれることもあります。再建築不可物件が行えるリフォームの内容や制限をしっかり把握したうえで現実的な提案が行える会社もあります。選んだ会社次第で、選択肢の種類も幅も大きく変わってしまう可能性があるのです。
ですから、リフォーム会社を探す際には、再建築不可物件を含む築古物件のリフォームをどれだけ行ってきたか施工例を確認したり、他のリフォーム会社に断られてもリフォームしてくれた、などの口コミが多数あったりするか、を確認して会社選びを行いましょう。リフォームの知識や技術があり、築古でも、再建築不可物件でも諦めずに、施主に寄り添って方法を考えてくれる会社に依頼することが大切です。
3. まとめ
新築時は問題なく建てることが出来た家でも、建築基準法の改正や周りの環境の変化によって、道路や土地が基準に沿っていないために、再建築不可物件になってしまっていることがあります。再建築不可物件にあてはまると、周辺道路などの立地環境が変わらない限り建替えはできませんが、リフォームやリノベーションを行うことは出来ます。ただし、建築確認申請が不要な範囲で行うことなど、制限もあるので、リフォームや建築基準法の知識があって、施主に寄り添い技術をもって理想をカタチにしてくれる会社選びを行うことが重要です。
再建築不可物件であっても、リフォームやリノベーションを通して、住み慣れた環境でこれからも快適な暮らしを楽しみましょう!

