これから暑くなってくる時期に備え、冷房の効きを良くして快適に過ごすためにも、家の気密性や断熱性を意識することは重要です。特に、外気の影響を受けやすい窓リフォームは効果的です。断熱性能を上げるための窓リフォームとして『二重サッシ』や『ペアガラス』の設置があります。
二重サッシとペアガラスは、どんな違いがあるのでしょうか?どちらのリフォームが自分の家に適しているのか、どのように選べば良いのでしょうか?窓リフォームの種類の違いと、選ぶ時のポイントをご紹介したいと思います。
1. 二重サッシとペアガラスの違いとは?
二重サッシとペアガラスは、断熱性能を上げるという点では効果や、リフォームの目的は同じですが、施工方法に違いがあります。どんな違いがあるのか、ご説明したいと思います。
■二重サッシとは?
二重サッシとは、サッシ自体が二重になるように取り付けるリフォームです。他にも内窓・二重窓・インナーサッシとも呼ばれ、既存のサッシの内側、室内側に新しい窓を設置することによって断熱性能や気密性能を高めます。
■ペアガラスとは?
ペアガラスの場合、ペア(二重)の部分は、ガラス部分です。二重サッシは窓本体が二重になっているのに対し、ペアガラスはガラス部分のみが二重になっているサッシのことを指します。複層ガラスとも呼ばれますが、ペアガラスという名称は、日本のガラスメーカーの一つであるAGCの「複層ガラス」の登録商標なので、一般的に同じものを指して呼ばれています。
二枚のガラスが入ったペアガラスは、ガラスとガラスの空間に空気層によって断熱効果があり、近年の新築では一般的に採用されています。
2. 『二重サッシとペアガラス』 我が家はどっちを選ぶべき?
二重サッシとペアガラスの構造の違いを理解したところで、ここからは自分の家にはどちらが良いのか、選択する際にポイントとなる点をご説明したいと思います。
■マンションにはペアガラスにリフォーム出来ない!?
マンションなどの集合住宅の場合は、そもそもペアガラスにすることが出来ないケースが一般的です。マンションの窓部分は、個人でリフォームを行える専有部分ではなく、共有部分だからです。そのため、ガラス部分のみであっても、ペアガラスへのリフォームをマンションの場合は行うことが出来ません。
そのため、マンションにお住まいの方が窓まわりの断熱性能を上げたいのであれば、二重サッシを選ぶことになります。マンションはペアガラスに出来ないというデメリットはありますが、二重サッシを設置することによるマンションならではのメリットもあります。それは、本来共有部分でリフォームによって窓の色を変えることが出来ない部分を、二重サッシの設置によって室内側のテイストに合わせた窓にすることが出来るという良さがあります。また、二重サッシには防音・遮音性能もあります。断熱性能以外の効果をも期待する場合は、二重サッシの方がメリットはあります。
■見栄えや手間で判断
戸建ての場合は、窓を自由にリフォーム出来るため、二重サッシもペアガラスへのリフォームも選択できます。ただし、ペアガラスの場合は、窓そのものをサッシから交換するか、ガラス部分だけ交換するかによって注意が必要です。現在1枚ガラスの窓で、ガラス部分だけ交換する場合は、ペアガラスにすることで2枚のガラスと空気層の厚みが必要になり、サッシ内に収まらない可能性があるからです。
一枚ガラスは、約9㎜~11㎜の溝幅のサッシに納まっていますが、ペアガラスの場合は12㎜以上必要となるため、サッシに収まりません。ペアガラスが収まるサイズのサッシでなければガラス交換のみのリフォームは行えないので、窓自体の交換リフォームとなります。そうなると、リフォーム費用も高額になりますし、工事も大掛かりになります。もしくは、薄型のペアガラスを選ぶか、特殊なアタッチメント付きのペアガラスを選ぶことで、ガラス部分のみのリフォームが行えますが、断熱性能が下がったり、結露防止効果が弱まってしまったりする可能性があります。そのため、ペアガラスにリフォーム出来るか、まずはリフォーム会社に既存のサッシのサイズを確認してもらいましょう。
また、見た目や使い勝手も判断ポイントになります。サッシが2枚になる二重サッシは、開閉や掃除の手間が増えます。ただし、防犯性は高まります。また、内窓が既存の窓枠内に収まれば問題ありませんが、枠が狭い場合は、室内側に枠を作って窓を設置するので、その分室内側に窓が飛び出すカタチになり狭くなってしまいます。また、掃き出し窓の場合は、段差が出来てしまうこともあります。
ガラス交換やサッシ自体の交換が必要となり金額も高いペアガラスへのリフォームに比べ、比較的安価で設置が簡単な二重サッシですが、見た目や使い勝手に関してはデメリットがあるので、自分にとって何がストレスになるかどうかも判断材料に入れて考えてみましょう。
断熱性能を高めたいのであれば、ペアガラスにしたうえで二重サッシにするという方法もあります。高額にはなりますが、断熱性能重視の場合は、組み合わせる方法が一番効果的です。
3. まとめ
家の断熱性能を上げるためには、外気の影響を受けやすい窓をリフォームすることが効果的です。窓リフォームには、2枚のガラスと、その間の空気層によって断熱性能を上げるペアガラス(複層ガラス)へのリフォームと、既存のサッシの室内側に新たにサッシを設置する二重サッシ(内窓)設置リフォームがあります。窓は共有部分なのでマンションの場合はペアガラスへのリフォームは出来ませんが、二重サッシを設置することは可能です。二重サッシは、防音・遮音効果や防犯性能もあります。ただし、開閉や掃除の手間があったり、既存の窓サイズによっては室内側が圧迫されたりする可能性もあります。ペアガラスは窓の見た目はスッキリしていますが、既存のサッシサイズによっては窓そのものの交換が必要になったり、高価だったりデメリットもあります。
二重サッシとペアガラスは、どちらも断熱性能を上げるうえで効果的なリフォームです。メリットとデメリットをよく考えて、既存のサッシの状態や優先順位と照らし合わせたうえで選びましょう。

