働き方改革によるリモートワークやおうち時間の増加で、家族が家で過ごす時間が長くなったため、家族との繋がりを大切にしつつも、付かず離れず風通しの良い距離感を保ち、それぞれが家での居場所を大切に出来る間取りづくりを意識している方が増えています。そのため、最近のリノベーションでは、完全な個室ではなく、家族の気配を感じながらも、自分の居場所である『おこもり空間』をLDK内に設けるのがトレンドになっています。
偏におこもり空間と言っても、LDKの広さや家族構成、ライフスタイルによって求める空間は様々です。どのようなおこもり空間が人気なのでしょうか?おこもり空間をリノベーションで設ける際にはどんな点を意識すると、快適な空間を造ることが出来るのか、という点とともにご紹介したいと思います。
1. 人気の『おこもり空間』は?
広々LDKの中で、家族のそれぞれが自分の居場所になる空間、お互いの存在を感じながらも仕事や趣味など、自分のペースで行える空間として人気なのはどんなスペースなのでしょうか?おこもり空間としてLDK内に設ける人気のスペースを4つご紹介したいと思います。
■本格おこもり空間『ヌック』
居心地の良いこぢんまりとした場所、正にこもれる空間として最も人気なのが、ヌックです。階段下や窓際など、物理的にも、あえて天井を低くした、こもれる空間は、本を読んだり昼寝をしたり、自分の好きなことに没頭できるスペースになります。
広々としたLDKだからこそ一角にヌックを設けることで、自分だけの場所という特別感が出来ます。
■秘密基地的な『ロフト・屋根裏』
子ども達の遊び場や大人の趣味部屋として人気なのが、ロフトや屋根裏空間です。LDK内を高い位置から見ることが出来るうえに、はしごなどを使って上り下りする体力が必要だったり、天井が低く大人にとっては動きにくい空間だったりするため、子どもだけのおこもり空間として、秘密基地的な雰囲気を楽しむことが出来ます。
■室内窓のある『ワークスペース』
勉強や仕事に集中出来るおこもり空間として人気なのが、室内窓があるワークスペースです。ワークスペースに室内窓を設けることで、座って机に向かう子どもは勉強に集中でき、キッチンで立って家事をしている親の目線では中の様子が見えたり、反対にリビングで遊んでいる子どもの様子を確認しながら、ワークスペース内で仕事をこなしたり出来ます。
半個室となるワークスペースは、室内窓によって視線では繋がりつつも、音はシャットダウン出来て便利です。
■空間をゆるやかに分ける『小上がり』
物理的にはこもる感じは無いものの、快適な居場所として人気なのが、小上がり空間です。畳などの座敷スペースにすることで、イスやソファーが無くても座ってくつろぐことが出来たり、昼寝が出来たりして自由な態勢がとれます。小上がりを上がるという高さが変わるだけで、気分を切り替える効果もあります。
小上がりを広めにとっていれば、おこもり空間としてだけではなく、客間や洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりする家事スペースとしても使えるなど、他のおこもり空間に比べ用途の自由度が高いことも、人気の理由です。
2. おこもり空間をつくる時の注意点
家の中で自分の居場所をつくることは、家庭内を風通しの良くするうえで効果的ですが、よく検討して設けなければ居心地の悪い空間になってしまうので注意が必要です。どんな点に注意すると良いのか、おこもり空間をつくる時の注意点をご紹介したいと思います。
■おこもり空間だらけにしない!
本当にそれぞれがこもってプライベートな空間を大切にしたいのであれば、それぞれに個室を設ける方が効果的です。しかし、あえてLDK内におこもり空間を設けるのは、それぞれの居場所をつくるとはいえ、家族が集い会話を楽しめる、家族の繋がりを大切にしたいという目的がベースにあることを忘れないようにしましょう。
そのため、おこもり空間を沢山作ってしまわないようにすることが大切です。リビング内に、ヌックもロフトもワークスペースも小上がりも全部詰め込んでしまうと、家族が集う空間が狭くなってしまい、開放感に欠けてしまいます。家族の気配は感じられるかもしれませんが、それぞれがおこもり空間に入ってしまい会話が減ってしまうなら、LDK内につくる意味がなくなってしまうかもしれません。
また、おこもり空間だけではなく、リビングやダイニングで過ごすこともできるので、家族全員分や人数以上の用途別のおこもり空間を造る必要はありません。おこもり空間も家族で共有できるので、厳選したおこもり空間を1~2か所設ける方がLDK内の開放感を保ちつつそれぞれの居場所も確保できます。
■LDK内の過ごし方をイメージしよう!
おこもり空間を造ってLDK内で快適に過ごすためには、LDKには何帖必要とか、おこもり空間を設けたいという結論部分だけではなく、その理由や目的を明確にしておくことが大切です。
そのために、家族それぞれがLDK内でどんな過ごし方をしたいのか、イメージしてみましょう。本を読んだり裁縫をしたり、趣味を楽しみたいのか、勉強や仕事をしたいのか、具体的に考えてみましょう。親であれば、子どもたちに、LDK内で遊んだり勉強をしてもらったりしたいなど理想の過ごし方があるかもしれません。子ども部屋や寝室ではなく、LDK内であえてしたいことを意識してみることで、いつ誰がおこもり空間を使うか、どんなおこもり空間があると過ごしやすいのか、レイアウト位置や、どれぐらいの広さが必要で、棚や家具、収納スペースの有無なども明確になってきます。
3. まとめ
家族でのおうち時間が長くなってきた近年、それぞれが付かず離れず心地よく過ごすうえで、居場所となるおこもり空間を設けることが人気になっています。特にヌックやロフト、室内窓があるワークスペースや小上がりがLDK内の一角に設けるおこもり空間として人気です。おこもり空間を設ける際には、家族との繋がりを大切にすることがベースであることを意識しておくことや、LDK内での理想の過ごし方を具体的に考えたうえで、ライフスタイルに合ったおこもり空間を設けることが快適な居場所をつくるうえで大切です。
家族と一緒に過ごしながらも自分の居場所や時間を大切に出来る、おこもり空間をリノベーションで取り入れてみるのはいかがでしょうか?

