快適に暮らすうえで意識しておきたいのは近隣の方との関係です。家の中は快適でお気に入りなのに、近隣トラブルに悩まされているという方もいらっしゃいます。賃貸とは違い、近隣トラブルがあってもすぐに引っ越せない持ち家は特に良好な関係を築きたいものです。そのためには、家づくりの際にトラブルの原因になりかねない点を出来るだけ軽減しておくに越したことはありません。
近隣トラブルを避けるために、どんな点を注意して家づくりを行えば良いのでしょうか。今回は戸建てにスポットをあててポイントをご紹介したいと思います。
1.近隣トラブルを避ける家にするには?
自分の家の造りや間取りは、意外にも近隣の家に影響することがあります。近隣トラブルを避けて、長く快適に暮らすために意識しておきたいポイントについてご紹介したいと思います。
■騒音トラブルを避ける家づくり
騒音トラブルといえば、集合住宅をイメージする方が多いようですが、意外にも戸建てでのトラブルも少なくありません。子育て中のお宅やペットを飼っているお宅、楽器を演奏するお宅や来客が多くホームパーティーを頻繁に行うお宅は特に注意が必要です。
家を建てる際には、可能であれば隣家と十分な距離をとって建てましょう。また、近隣との距離が近い家であれば、人が集まるリビングの位置や、排水音が聞こえやすいお風呂の位置を隣家の寝室と離れた位置にレイアウトするなど、間取りを意識しておくことも大切です。庭を挟んだり、植栽を植えたり、目隠しを設けることも騒音を緩和出来ます。
また、楽器やホームシアターなど大音量が出ることが分かっているのであれば、防音室を設けるようにしましょう。生活音であれば、防音室をあえて作らなくても、断熱性や気密性の高い家にすることで、防音効果も上がります。さらに、防音性能や吸音性能がある壁材や床材、カーテン、ペアガラスなどを使うことも出来ます。
■互いの窓の位置を意識する!
窓の位置によって、隣家や自分の家の通風・採光の確保やプライバシーを守れるかどうかに影響するで注意が必要です。互いの家の窓が近くて、騒音トラブルの原因になったお宅も少なくありません。
採光の点では、斜線制限や日影制限など、建築基準法によって、隣家の日当たりに関するルールがあるので、制限を守って家を建てることで、法律上の問題はクリアできるものの、互いのストレスを出来るだけ軽減するという点では、新築の際や、リノベーションで窓を移設する際に、窓の位置やそこから見える景色、目線を確認しておくことが重要です。
キッチンに立って料理をしている時に、隣の家の中を眺めるような位置に窓がついていないか、リビングのソファーに座っている時に隣の家の人と目が合わないかなど、生活動作やくつろいだ態勢になった時に分かる目線もあります。家事中や家具を置いた時の目線も意識してみましょう。位置は同じでも、高さや窓のサイズを変えるだけで、プライバシーを守ることが出来てトラブルを避けられる場合もあります。
さらに、隣家と近い位置に窓を設ける場合でも、すりガラスにするなど、中が見えにくい素材のガラスにしたり、ロールカーテンを設置したりするだけでも、互いのプライバシーを守ったり、覗いていると感じさせないようにしたりすることが出来るかもしれません。
また、自分の家からの見え方だけではなく、隣家の窓の位置も確認することも大切です。エアコンの室外機が隣家の窓の前にあって、 窓をあけると排気や音が隣家の中に入ってトラブルになったケースもあります。室外機を設置する場所も意識しましょう。
2.近隣トラブルを避ける外回りにするには?
戸建ての場合は、室内だけではなく外回りも意識しておく必要があります。ここからは、近隣と友好な関係を築くうえで意識しておきたい外回りのポイントをご紹介したいと思います。
■前庭に余裕を!
家のまわりに車を停車していることがトラブルの原因になるケースは少なくありません。特に、車を使った出入りが多かったり、デイサービスの利用による送迎があったり、ネットショッピングが多かったりするお宅であれば、家の前に車が停まることが多くあります。前面道路が広かったり、前に駐車スペースがあったりすれば問題はありませんが、駐停車できるスペースが無いお宅の近隣は、毎回自分の家の前に車が停まってうるさいと感じたり、自分の車の出し入れがし辛くなったり、歩行者の危険になったりして、不満やストレスが溜まりトラブルに繋がってしまいます。工事や荷下ろしにも気を遣うかもしれません。
そのため、余裕があるならば、家の前庭を少し広めにとり、塀などを設けずに車が少しでも入れるようにしましょう。玄関前にスペースを設けることで、車を一時的に停めたり、宅配の車が停めたり出来たりするので、向かいや左右の家の前への路駐を避けることが出来ます。
■植栽の成長を見越して植える!
エクステリアを考える際には、樹木の種類やサイズを意識しましょう。予想以上に大きくなったり、落葉樹で枯れ葉が多かったりすると、自分の家の敷地内だけではなく、隣の家の庭や玄関にまで影響することがあります。
果実が落ちて、隣の家の屋根やアプローチ、車を汚したり、伸びた枝で子ども達が怪我をしたりするトラブルもあります。隣の家に近くないところに木を植えても風の向きによっては自分の家には被害がないのに、隣の家ばかり枯れ葉がたまるということもあります。また、幹は問題なくても、地中で根が広がり、隣家の庭に入っていたり、塀を押し倒したりするトラブルもあります。
植栽選びをする際には、幹や根がどのように成長するか、落ち葉の影響があるかを確認しましょう。数年ごとの成長が分かるように、成長過程の実際の木を見せてくれる造園屋もあるので、心配であれば成長具合の目安を確認しておくことも出来ます。
既に植栽を植えているのであれば、剪定をこまめに行いましょう。また、家の内側に移植したり、他の木に植え替えたりできないかを検討することも出来ます。
3. まとめ
理想の場所に理想の家を建てることが出来たにも関わらず、近隣とのトラブルで快適に暮らせない方もいらっしゃいます。そのため、新築やリノベーションの際には、近隣トラブルを避ける家づくりを意識しておくことは重要です。騒音トラブルを避けるために、気密性、断熱性の高い家にして防音性能を高めたり、防音性能のある建材を使ったり、可能であれば隣家との距離を充分にとり、間取りを工夫したりすることが出来ます。また、窓の位置やサイズ、目線を考慮して、互いのプライバシーを守ることを意識しましょう。さらに、家の前に車の駐停車が出来るスペースを確保しておくことや、成長を見越した植栽選びや、植える位置を考えるなど外回りでも意識出来る点があります。
個人として、近隣や街として快適に暮らし続けるための家づくりを行いましょう!


