フルリノベーションを行ううえで、しっかり予算を立てて、打ち合わせも細かく行ったものの、いざ見積りを出してもらうと、いつの間にか予算オーバーしていることがあります。プランは理想の家に近づいたにも関わらず、金額は遠ざかっていく、というケースは少なくありません。

フルリノベーションの見積り時に予算オーバーしてしまった場合、どの部分を調整して予算内に収めれば良いのでしょうか?予算オーバーしても冷静に見積りと向き合うためのポイントと共にご紹介したいと思います。

1.減額調整をするときに見直せる部分とは?

見積りの際に予算オーバーした時に、費用を予算内に収まるように見直して調整することを、『減額調整』と言います。リフォーム会社の担当営業も協力して予算内に収まるように努力はしてくれますが、優先させたいことを決めたり、見直したりするのは施主本人なので、見直す部分を知っておくことは助けになります。ここでは、特に減額するうえで影響が大きい2つの分野をご紹介したいと思います。

■ドアの数・種類・デザインを見直す

ドア(建具)の数を減らすことは、商品代と工事費の両方の面から金額を抑えることが出来るので、コストダウンに大きく貢献します。ドアを1か所減らすだけで10~30万円のコスト削減につながるので、間取りを少し変えることでドアの数を減らせないか検討してみましょう。部屋の出入口以外にも、収納扉をなくしてオープン収納にすることも出来るかもしれません。

また、ドアの種類を考えることも重要です。引き戸や折戸は開き戸に比べて商品代が高くなります。そのため、引き戸部分を開き戸に変更したり、クローゼットを収納折戸ではなく、ウォークインクローゼットにして一般的な開き戸にしたりすることによっても、ドア本体のコストダウンに繋がります。

さらに、全面ガラスや高さが天井まであるハイドアなどデザイン性が高いものは価格が高くなります。LDKの出入口ドアなど、メインの部屋となる部分のドアだけはこだわったデザインにして、他の個室のドアは、ベーシックな規格サイズやデザインのドアを選ぶことで費用が抑えられないか見直してみましょう。

■建材&設備機器はグレードとメーカーを見直す

選んでいる建材、壁紙やフローリング材などの面積が大きな仕上げ材や、キッチンやシステムバスといった設備機器のメーカーやグレードを見直すことも減額調整に役立ちます。

例えば、壁紙を選ぶ場合、白でシンプルにするというこだわりだけであれば、わざわざハイグレードのものでなくても、量産品を選ぶことで、金額を抑えることが出来ます。また、塗り壁調や花柄といった、定番のデザインであれば、A社では好みの色がハイグレードにしかなくても、B社にはベーシックグレードにある、ということもあるので、メーカーごとに比較することで、お金をかけずに、好みの色やデザインが選べることに気付けるかもしれません。

設備機器に関しても同様で、例えばシステムバスを選ぶ場合

A社:ハイグレードシステムバス100万円

B社:ベーシックグレードシステムバス90万円+オプション20万円=110万円

上記のように、システムバスの本体はベーシックグレードのB社が安くても、色やドア、棚など、好みのものにするためにオプションを付けているうちに、A社よりも費用が高くなってしまっているということがあります。また、オプションを付けない場合でも、依頼したリフォーム会社がA社との取引が多く値引き率が高いことで、B社よりも安くなるということもあります。

しかも、A社のハイグレードであれば、オプションを付けなくても色の選択肢が多かったり、浴槽の断熱性能が高かったりして、希望以上のシステムバスを手に入れることが出来るということさえあります。オプションを付ける場合や、性能にこだわりたい場合は特に、メーカーやグレードに縛られずに比較してみることで、減額出来るかもしれません。

2.予算オーバーで最優先順位を見失わないための秘訣

予算オーバーしてしまって、金額のことばかり意識してしまったり、比較検討して決めることが増えていったりすると、何のためにリノベーションしたいのか、最優先順位は何なのか、いつの間にか分からなくなってしまったという人は少なくありません。打ち合わせが徐々にストレスになってしまうことさえあります。ここでは、そんな事態を防ぐための秘訣をご紹介したいと思います。

■事前に諦めてもよいポイントの優先順位を決めておく!

フルリノベーションのプランを考える際に、優先順位を決めておくことは役立ちます。その点で、こだわりたい部分の優先順位だけではなく、予算オーバーしてしまった際に諦めてもよい部分に関しても決めておくなら、減額調整が必要になったとしても焦ることなく対応しやすくなります。プランを考える際に、事前に家族で話しあって諦めてもよいポイントの優先順位を箇条書きにして出しておきましょう。

例えば、システムバスで減額調整を行いたい場合

★家族の理想のシステムバス

高断熱・広々浴槽・掃除がしやすい・グレー&ブラックでホテルライク・引き戸・脱着式棚・マグネット壁

●こだわりたい優先順位

  • 断熱性 2.サイズ(1818)3.水はけの良い床

●諦めてもよい優先順位

1.色 2.脱着式棚 3.引き戸

以上のように、取り上げた理想に対して、こだわりたい部分と諦めてもよい部分それぞれの優先順位を決めておけば、予算オーバーした時に一番に見直せる部分が分かり、家族で揉めることなく冷静に対応することが出来ます。

■諦めてもよいポイントをポジティブな理由とセットで書き出す!

予算オーバーをして減額調整を行っていると、『お金さえあればアレができたのに』とか、『妥協ばかりのリノベーションで満足できないのではないか』と思ってしまう方も少なくありません。リノベーションを終えた後も、生活には不便していないものの、予算オーバー時のプランが良かったのではないかと気になってしまうという方もいらっしゃいます。

せっかくフルリノベーションを行うのであれば、ネガティブな気持ちを抱いたり、引きずったりしないために、諦めポイントを出す際にポジティブな見方もセットで出しておきましょう。

例えば、上で考えたシステムバスの諦めてもよい優先順位の場合であれば、

  • 色:ホテルライクコーディネートという点に焦点を当てるならグレー&ブラック以外でも問題なし。むしろオシャレなコーディネートが出来る可能性大。
  • 脱着式棚:脱着できないのであれば、棚は全て無くしてマグネット壁にすることで、好きな位置に好きなデザインの棚が設置可能。掃除もしやすく飽きたら交換も簡単。
  • 引き戸:開き戸にすることで、脱衣所側の壁が有効活用できる。収納棚の設置や家具が置けて間取りのレイアウトの幅が広がる。浴槽内の断熱性能もアップする。

このように、事前にメリットになる部分を意識出来ていれば、減額調整を行うことで必要以上にネガティブな気持ちになることを防げるだけではなく、間取りやレイアウトがより良くなる可能性も出てくるので、後悔どころか満足度アップに繋がることさえあります。

3. まとめ

フルリノベーションの打ち合わせ段階で、理想を追い求めているうちに、提出された見積りが予算オーバーしてしまっているというケースは少なくありません。予算オーバーしてしまうと、冷静な判断が出来なくなり優先順位が分からなくなることさえあるので注意が必要です。減額調整を行うには、ドアの数や種類、デザインを見直すこと、建材や設備機器のメーカーやグレードを比較することが役立ちます。また、事前に諦めてもよい部分の優先順位を決めて箇条書きにしておくことも役立ちます。その際には、メリットもセットで書き出しておくことで、必要以上にネガティブな気持ちになることを防げます。

予算内で満足度の高いフルリノベーションが行えるように事前準備をしっかりしておきましょう!

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