新築でも中古物件探しでも、2階建て以上の複層住宅ではなく、平屋を選ぶ方が増えています。今住んでいる2階建ての家をリノベーションして平屋にするという方もいらっしゃいます。平屋の方が暮らしやすいという声も聞きますが実際のところどうなのでしょうか?

ここでは、平屋には2階建て以上の家やマンションとは違う、どんな点が暮らしやすいのかをご説明したいと思います。また、今住んでいる平屋や、中古の平屋を購入してリノベーションをする場合、リノベーションを成功させるうえでの平屋ならではのポイントをご紹介したいと思います。

1.平屋のメリット&デメリット

平屋が暮らしやすいと言われ、人気がある理由はどこにあるのでしょうか?暮らしに関係する部分以外にも、構造に対してのメリットや、反対に平屋のデメリットとなる部分を説明したいと思います。

1.平屋のメリット

●移動がラクで足腰への負担が少ない・・・家への出入りや他の部屋への移動がワンフロア内ですむので移動やモノの持ち運びがラクです。階段の上り下りの必要がないため、足腰への負担が少なく、転落の危険もありません。幼い子どもから高齢者、車いすにも対応出来る、バリアフリー住宅に適した構造と言えます。

●耐震性が高い・・・2階建て以上の戸建やマンションに比べ、高さが低いので地震の際に揺れの影響を受けづらく耐震性が高いというメリットがあります。避難時にも、すぐに外に出やすくて安心です。

●デッドスペースが出来る可能性が低い・・・階段の上り下りがあると、加齢や体調に伴って2階への上り下りが億劫になって2階を使用しなくなった、2階が物置状態になっているということがありますが、平屋であれば、上り下りの必要がないので、将来的にデッドスペースになることを防げます。また、階段が必要ないので、デッドスペースになりがちな階段下の用途を検討する必要もありません。

●リフォームやリノベーションがしやすい・・・上下階に影響する給排水管や柱の繋がりを考える必要がないので、マンションや複素住宅に比べ平屋は、間取りを大きく変えたり、水回りの位置を動かしたりするなどの大規模リフォームやリノベーションの自由度が高くなります。外壁や屋根リフォームの際には、高さがないので足場代も安価ですみます。

2.平屋のデメリット

●床面積が狭くなる可能性がある・・・土地に対して2階建てであれば、平屋の最大約2倍の床面積を確保することが出来ます。そのため、平屋にすることで、複層住宅よりも床面積が狭くなる可能性があります。部屋数が欲しい方にとっては、十分な土地の広さが無ければ各部屋が狭くなり、平屋はデメリットとなるかもしれません。

●プライバシーが確保されにくい・・・複層住宅であればフロアが変わることでプライバシーを確保しやすくなりますが、平屋はフロア続きなので、居住人数や来客者の頻度によっては各部屋の音漏れが気になるかもしれません。家族の距離が近くコミュニケーションを図りやすいというメリットがある反面、プライバシーの確保という点ではデメリットになります。

●水害の影響を受けやすい・・・マンションや2階建て以上の家では、上階に避難出来ますが、平屋は水害の影響を受けやすくなります。高台であれば平屋であっても問題ないかもしれませんが、高潮浸水想定区域では特に水害の影響を受けやすく在宅避難が出来ない可能性があります。

2.平屋をリノベーションする時のポイント

暮らしやすい平屋をさらに、自分らしい住まいにしたり、中古の平屋を購入してリノベーションしたり、2階建てを平屋にリノベーションしたりするうえで、意識しておきたい平屋ならではのポイントをご紹介したいと思います。

■動線が長くなりやすいデメリットを意識する!

ワンフロアに全ての部屋があるため、部屋数が多くなればなるほど、家が広くなればなるほど動線が長くなってしまいます。移動がラクなはずの平屋でも、間取りによっては家事動線が長く、暮らしにくい家になる可能性があるので注意が必要です。

平屋を暮らしやすい間取りにリノベーションするのであれば、動線の長さを意識しましょう。例えば、廊下だけで各部屋を繋ぐと長い廊下が必要になってしまうかもしれません。部屋と部屋を繋ぐドアを設けたり、家事に影響する水回りでは、パントリーやウォークインクローゼットなどを活用して回遊できる動線にしたりして、動線を短くする間取りを意識することで、移動のしやすい平屋のメリットを最大限にいかすことが出来ます。

■採光・通風を意識する!

平屋は、広くなればなるほど、窓から遠い場所が増えるので、自然光や自然風が入り辛くなってしまいます。また、都市部では特に、周りに高層マンションや複層住宅が建っていると自然光が入り辛くなります。昼間でも電気を点けていなければいけなかったり、風が涼しい時期でも冷房機器に頼らないといけなかったりすると光熱費がかかってしまいますし、環境にも優しくありません。

平屋の中古物件を探す際には、内覧の際に日中の明るさや風通しを確認しましょう。周りの環境的にリノベーションをしても改善できないのか、窓の位置や間取りを変えることで解決できるのかを確認して物件選びをすることは大切です。

また、平屋をリノベーションする際には、出来るだけ自然の力を活用したエコな住まいにするため、採光や通風を意識した間取りにしましょう。家の内側の部屋に光や風が入るように、ドアに採光ガラス付きのものを採用したり、室内窓を設けて風が流れるようにしたり、中庭を設けて内側にも明かりが入るような間取りの工夫も効果的です。

ただし、採光や通風を意識しすぎて窓を増やすと防犯性が低くなってしまうので、注意が必要です。

3. まとめ

平屋の新築や中古物件を選んだり、またリノベーションで平屋にしたりする方が増えています。平屋は、移動がラクで足腰への負担がないこと、将来的にデッドスペースが出来づらい事、耐震性の高さやリノベーションの自由度の高さから人気ですが、一方で充分な床面積を確保しづらかったり、プライバシーが確保されにくかったり、水害の影響を受けやすいというデメリットもあるので、立地や居住人数に合わせた家づくりが大切です。また、平屋をリノベーションする際には、動線が長くならないようにすることや、家の内側まで自然光や自然風が入る間取りや工夫をすることを意識することで、平屋のメリットをいかした暮らしやすい家にすることが出来ます。

上り下りの負担や危険がなく、幅広い年齢層にとって暮らしやすい平屋をさらに、ライフスタイルに合わせてリノベーションすることで、自分らしく暮らしやすい家にしましょう!

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