戸建ての2階建てや3階建てのお宅や、メゾネットタイプのマンションなどでは、階段は必須です。しかし、リノベーションで間取り変更を考える際や、家の中の明るさの確保、おしゃれさを考える時に、この階段さえ無ければ!と思うことは意外と多いかもしれません。上下階をつなぐ大切な階段ですが、ただの通路としてだけでなく、空間に馴染むおしゃれな階段にしたいものです。

そこで、今回はおしゃれな階段としてリノベーションでもよく採用されている『スケルトン階段』のメリット、そしてデメリットやリノベーションで取り入れる際の注意点をご紹介したいと思います。

1.スケルトン階段のメリット&デメリット

そもそもスケルトン階段とはどのような階段なのでしょうか?スケルトン階段のメリットとデメリットと共に特徴を知っておきましょう。

スケルトン階段って何?

蹴上と言われる段と段の間の板がなく、足を置く、踏面と階段の基礎となる骨組みのみで作られている階段をスケルトン階段と言います。他にもオープン階段やシースルー階段と呼ばれることもあります。スケルトン階段には、骨組みもなく、壁から踏面だけが出ているような階段もありますし、直線のストレートタイプだけでなく小スペースで納まるらせん階段やL型、Uターンもあります。

スケルトン階段のメリット

明るい階段で広々空間に!

踏面だけの階段なので、明かりが入り明るい階段になります。窓際に設置しても、窓からの明るさを遮ることなく室内に取り入れてくれます。しかも見せる階段としてリビングに設置しても、壁が無い分、リビングが狭く暗く感じることがなくてすみます。リビングに階段があることで本来はリビングの使える面積は狭くなっているはずですが、上にのびる階段のデザインが、天井を高く、広い空間に見せてくれ、階段もリビングも明るく広い空間に見えるというメリットがあります。

インテリアに馴染むおしゃれな階段

スケルトン階段は、インテリアを彩るアイテムにもなります。無垢材やスチール、鉄骨、コンクリートなど踏面や骨組みになる材料にこだわって、インテリアのテイストに合わせることが出来ます。スタイリッシュなスケルトン階段を室内のアクセントになるように、ポップな色を取り入れているお宅もあります。ひと昔前までは、家の端に設置されていた階段が、スケルトン階段の人気によって、おしゃれで見せる階段として、リビングの中に設置する、リビングイン階段の間取りが増えてきました。

換気の良い家になる

遮る壁がないオープンな階段なので、階段内で空気が溜まることなく換気の良い家になります。コロナ禍で換気の重要性が注目されるなか、スケルトン階段の採用でワンフロアだけでなく上下階の空気の流れを良くすることが出来るかもしれません。

スケルトン階段のデメリット

音・臭いが伝わりやすい

間仕切りとなる壁が少ない分、遮るものがないので各階の音や臭いが伝わりやすいというデメリットがあります。階段の位置によっては、リビングのテレビの音や会話が上の階の書斎や勉強部屋に伝わって、集中できないということもあります。家中臭いが広がってしまうということもあります。

冷暖房の効率が悪くなる

換気が良いというメリットの反面、冷暖房の効きは悪くなる可能性があります。スケルトン階段がある家は吹き抜けや天井が高い造りになるので、あたたかい空気が上に、冷たい空気が下にいく性質上、上下部で温度差が激しくなってしまうかもしれません。シーリングファンなどで、空気を循環させるなどの工夫が必要です。

安全面に注意が必要

小さなお子さんやペットがいる家庭では、階段に隙間がある分、安全面への配慮が必要となります。頭や身体を挟むことがないように段差を浅くするなどの工夫が必要かもしれません。また、通行中に下が見えるため、怖さを感じる方もいらっしゃいます。

2.スケルトン階段のデメリットを軽減する工夫

スケルトン階段のメリット&デメリットをふまえたうえで、スケルトン階段を採用した場合、どんな点に注意して施工すれば良いのでしょうか?デメリットを少しでも軽減する方法はあるのでしょうか?

明るさを遮断せずにスケルトン階段を設置

スケルトン階段のメリットとも言える明るさが入る一方で、冷暖房効率が悪いというデメリットもあります。だからと言って壁を作ることで、寒さを防ぐと明るさまで遮ってしまいます。

そんなデメリット対策として、壁の部材をアクリル板にするという方法があります。アクリル板の壁であれば冷気の侵入を防ぎながらも明るさを遮断せずにすみます。防音対策や転倒防止という点でも効果的です。

階段下をどう使う?<

スケルトン階段にすることで、一般的にデッドスペースの有効活用とされる階段下収納を設けることが出来なくなります。都心の3階建て狭小住宅では、階段下をクローゼットやトイレとして活用する間取りが多くあります。しかし、スケルトン階段にすることで、隠す収納やトイレのような個室空間としては使えなくなります。一方で、家具・家電を置いたり、観葉植物を置いたり、見せる収納としては使うことが出来ます。スケルトン階段であっても、一人暮らしやパートナーだけなど、暮らすひとの人数が少なければ気にならないからと、階段下にデスクを置いてワークスペースとして使っているお宅もありますし、子どもたちが遊ぶスペースにしているお宅もあります。

リノベーションで間取りや階段を考える際には、階段そのものの用途や見た目だけでなく、階段下をどのように活用したいか、スケルトンにすることで、用途が狭まってしまわないかなども検討することは大事です。

3. まとめ

上下階をつなぐ重要な用途がある階段ですが、単純に通路としての用途だけではないスケルトン階段が人気です。スケルトン階段は、インテリアを彩るおしゃれ階段としてリビング内に設置できますし、オープンなデザインから、明かりを遮ることなく室内を明るく広く見せることが出来ます。しかし、音や臭いが伝わりやすかったり、冷暖房効率が悪かったり、隠す収納スペースが減るというデメリットもあるので、工夫が必要です。

デメリットもよく検討したうえで、おしゃれな階段、スケルトン階段を取り入れてみることを考えてみてはいかがでしょうか?

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