頻繁に起こる地震の度に、我が家は大丈夫かと不安になるかもしれません。少しでも不安要素を減らすためには、地震に対する備えが重要です。震災に備え、避難グッズを揃えるなど、個人として取り組むことが出来ますが、もっと大きな点に目を向け、家そのものも備えをしておきましょう。
そこで、家の備えとして中古物件購入時やリノベーションの際に意識しておきたい耐震診断や耐震補強について知って、安全で安心できる家にしましょう!
耐震診断&耐震補強で家を守る!
地震に備える家、安全な家にするために出来ることと言えば、耐震補強です。そのためには耐震診断をする必要があります。耐震診断とは何なのでしょうか?
耐震診断って何?
耐震診断とは、地震が起きた時に建物がどれだけ揺れに耐えられるか、耐震性能がどれだけあるかを調べることです。資格を持った耐震診断士が診断を行い、設計図や構造、施工年や増改築の有無などを調べ、さらに物件を目視、床下調査や実測で現地調査し診断を行っていきます。
日本では、昭和56年6月1日より建築基準法施行令が改正され新耐震基準となり、倒壊、破壊しない設計が法律上定められました。そのため、それ以前となる昭和56年5月31日以前に着工した物件は、現在定められている耐震性能の基準を満たしていない可能性が高く、診断すべきです。
耐震診断と、それに基づいた耐震設計などの耐震計画等の費用の目安としては20~30万円かかります。資格をもったプロにしか判断や計画を立てることは出来ないので、要件を満たしている場合は診断を依頼しましょう。
耐震補強をしなければ意味がない!
耐震診断を行った結果、耐震のために補強が必要と判断されるかもしれません。家を安全な場所にするのに必要なのは、耐震診断をすることではなく、その結果に基づいて耐震補強することです。診断結果に基づいて、壁や開口部の補強、柱を増やしたり、筋交いを配置したり、接合部分に金物を使って補強したり、屋根を軽量化することによって耐震構造にします。工事内容にもよりますが耐震補強費用の目安としては100~300万円程かかります。しかし必要な補強工事を行わなければ、診断や計画を立てても意味がありません。また、どんなにリノベーションで内装が綺麗になっても安心できる家とは言えません。
中古物件を購入してリノベーションして住む場合は、築年数や物件の状態によっては物件購入費用とリノベーション費用だけでなく、耐震診断と計画等の費用、耐震補強費用も必要になることを意識して物件探しを行いましょう。
板橋区で耐震補強リフォームを行うための注意点
弊社の拠点である東京都板橋区では、木造住宅を含め耐震化を支援する取組みが行われているため、助成を受けられます。具体的に要件や助成金を確認してみましょう。
板橋区では耐震補強の助成が受けられます!
板橋区では、木造住宅の耐震化助成メニューとして下記の要件で助成が受けられます。
助成メニュー | 建築物の要件 | 助成金額 |
1.耐震診断 | ①住宅 ②木造2階建以下 ③昭和56年5月31日以前に建築 |
診断費用の1/2で、限度額7万5千円 ・高齢者の場合は診断費用の2/3で限度額10万円 |
2.耐震計画等 | ①耐震診断を受けていること ②耐震診断の結果「倒壊する可能性がある」と判断された建築物 |
作成費用の2/3で、限度額4万円 |
3.耐震補強工事 | ①耐震診断及び耐震補強計画等を受けていること ②耐震診断の結果「倒壊する可能性がある」と判断された建築物 ③建築基準法における重大な違反がないこと |
工事費用の1/2で限度額75万円 ・高齢者の場合は工事費用の2/3で限度額100万円 |
※詳しくは、板橋区の公式ホームページでご確認下さい。
木造住宅の耐震化推進事業|板橋区公式ホームページ (city.itabashi.tokyo.jp)
建物診断で安心な家を手に入れる!
耐震診断が義務化されている要件として昭和56年以前に建てられた住宅となっているので、築浅の物件は基本的に耐震診断をする必要はないと感じるかもしれません。しかし、法律に基づき建てられた築浅な中古物件でも、残念ながら施工不良や、度重なる地震や台風などの災害によって、またシロアリの被害によって、耐震性が弱くなっていたり、建物そのものに不具合が生じていたりする場合もあります。中には、構造的には問題なかったものの、無理な減築や増築、重たい屋根材に葺き替えるなどを診断なしで行い、耐震性が弱まっている場合もあります。
中古物件を購入する際や、リノベーションで内装を整える場合には、耐震診断だけでなく、築浅だとしても、プロに物件下見同行や、建物診断をしてもらうなら、安心で安全な家にすることが出来ます。デザイン性だけでなく、構造面や見えない部分も安心して任せられる、経験や知識のある会社に依頼しましょう。
さらに施工例というと、デザイン面などに注目してしまいがちですが、耐震補強が必要な場合は、耐震補強でどのようなことをするのか、写真を見せてもらったり、細かく説明してもらったりしたうえで工事を行うようにすることで、リノベーション時の不安も取り除けます。
まとめ
愛着のある大事な家を残していくため、またお気に入りの中古物件に安心して住むために、耐震診断を行い、それに基づいて耐震補強を行う必要があるかもしれません。費用がかかるからと言って、おざなりにするなら、地震の際に危険度が高くなってしまいます。板橋区を含め、多くの県や市町村で、耐震診断、耐震計画等、耐震補強に対して助成があるので、活用していきましょう。
耐震診断士やプロの知識や経験を借りて、耐震診断や建物診断、物件下見同行をしてもらい、安全で安心な家を目指しましょう。