フルリフォームを行う際に、フロアの高さを変えた間取り、スキップフロアを取り入れることを考えておられるかもしれません。住宅・リノベーションサイトや雑誌でも取り上げられることの多い、おしゃれなスキップフロアは戸建てだけでなく、マンションでも取り入れることが出来ます。
スキップフロアを間取りに取り入れるメリットとは何でしょうか?反対にデメリットはあるのでしょうか?

1.様々なスキップフロアが人気

まずはスキップフロアとは何か、リノベーションやリフォームで取り入れる際の注意点などについて確認しておきましょう。

スキップフロアって何?

スキップフロアとは、簡単に言うと、高低差を設けた床のことです。中2階や中3階などの呼ばれ方をすることもあり、1階から2階の、ちょうど中間部分にフロアを設けるなど、空間の中に複数の高さの床や天井のある空間を一般的に指して用いられています。また、階段の踊り場を広めにとって、スキップフロアとして活用する場合もあります。

他にも、小上がりと呼ばれるような、2・3段だけ床を上げたり、下げたりしてフロアを設ける場合も、スキップフロアと呼ばれています。そのため、2階建て以上の戸建てに限らず、平屋やマンションなどのワンフロアタイプの住宅でも、リフォームによってフロアに高低差を作り、スキップフロアを取り入れることが可能です。

フロアの高さが違う空間に、ロフトもありますが、ロフトは物置的な役割で、はしごで上り下りするタイプを指すことが多いのに対し、スキップフロアは、居住空間としての用途が強く多くの場合、階段を設け上り下りができるフロアを指しています。

床面積が変わることでの影響もある?

スキップフロアを設けることで、床面積を増やすことができますが、床面積が増える場合、延べ床面積として建築申請を出さなければいけない可能性があります。
スキップフロアの場合、自治体ごとに建築基準法に基づいて床面積に算入すべきかが異なっており、中にはスキップフロアそのものの採用を認めない自治体もあるので、プランニングの際には確認が必要です。

さらに、床面積が上がることで、固定資産税も上がってしまいます。部屋ではなく、天井高の低い収納スペースであれば床面積の算入方法も変わってくので、経験豊富で知識のあるリフォーム会社に依頼することが重要です。

2.スキップフロアのある家にリノベーションするメリット&デメリット

では、リノベーションによってスキップフロアを取り入れることには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

スキップフロアのメリット

●空間を開放的なまま区切る事ができる

フロアの高さが異なることによって、間仕切り壁やドアが無くても、空間を区切ることが出来ます。スキップフロアであれば、同じリビング内でも、高さの違うフロアごとに床材を変えやすいので、テイストの違う部屋を作り出すことも容易です。気分を変えて生活にメリハリを付けるために、スキップフロアを採用することも出来ます。しかも壁が無い分、開放的で広く感じさせる効果もあります。

●部屋数や収納を増やせる

ワンフロアの広さや土地の広さが限られていても、フロアの高さを変えることで部屋数や収納空間を増やすことが可能です。一般的には、ワンフロアを区切って部屋の間取りを考えますが、スキップフロアを取り入れる場合は、部屋を立体的に考えて配置することができるので、無駄な空間をなくし、かつ部屋数を増やすことが可能です。
平屋やマンションのような天井の高さが決まっていて、小上がりほどのスキップフロアを設ける場合でも、フロアの下を引出し式の収納スペースに使うなど、部屋だけでなく収納スペースを増やすためにスキップフロアを取り入れるという方も少なくありません。

●デザイン性が高まる

階段があったり、床や天井の高さが違う空間があったりする家は、アクセントとなり家のデザイン性を高める効果があります。実用性だけでなく、見た目がおしゃれ、カッコいいという理由でスキップフロアを取り入れたリノベーションを依頼される方も少なくありません。
秘密基地のような遊び心のある空間が、子供達を楽しませたり、趣味の部屋のイメージとピッタリだったりして人気です。

スキップフロアのデメリット

●冷暖房の効きが悪い

フロアの高さだけで空間を区切っているスキップフロアは、実際に間仕切り壁やドアが無いことから、冷暖房の効きが悪くなる可能性が高まります。特に戸建てでスキップフロアを数カ所設けている場合、家全体が吹き抜けのようになっているため、冷暖房の効きが悪く、光熱費が上がってしまうというデメリットがあります。

●高低差によってバリアフリーにならない

デザイン性の高いスキップフロアは、見た目は良いものの、実際に生活してみると上り下りが多いことを大変だと感じる方も少なくありません。掃除機を持って上下階を移動するなど、家事や掃除も面倒に感じるかもしれません。若いうちは良いものの、年齢を重ねるごとにバリアフリーではない空間がデメリットになっていく可能性が高まります。

●防音・防臭に欠ける

冷暖房の効きが悪いのと同様、吹き抜けとなる空間では、音や臭いも全体に広がりやすくなります。キッチンでの料理の香りが他のフロアまで広がったり、プライベートルームでの音が他のフロアまで聞こえたり、防音や防臭という観点では劣ってしまいます。家族が身近に感じられるというメリットがある反面、プライベート空間がないと感じる方もおられます。

3. まとめ

家を立体的にとらえ、無駄なく空間が使える方法としてスキップフロアを取り入れることが出来るかもしれません。スキップフロアを設けるなら、おしゃれにかつ、開放的に空間を区切り、限られた床面積でも、部屋数や収納を増やせるというメリットがあります。

しかしその反面、壁やドアの無い空間は冷暖房の効きが悪くなったり、防音・防臭に欠けプライバシーが守りにくい空間になったりします。年齢や家族構成によっても、バリアフリーではない段差の多いスキップフロアがデメリットとなる可能性もあります。

スキップフロアをリノベーションで取り入れることには、メリットもデメリットもあるので、自治体の基準も踏まえつつ、家族やリフォーム会社とよく打ち合わせたうえで検討することが重要です。

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