一般的にリフォームと言うとキッチンや浴室など、一部分に手を加えるリフォームのことをイメージする事が多いでしょう。そういうやり方のリフォームは部分リフォームとも呼ばれて最低限の費用で、新築時の状態に近づけて生活をしやすくするものです。

それに対してスケルトンリフォームは、全面リフォームとも呼ぶように柱や基礎などの骨組み・構造体と呼ばれる部分を残して、建物全体を工事します。柱や梁のある場所は動かせないので、ある程度の制約はありますがそれまでの住宅とは全く違った間取りや設備にできます。工事には3種類あり、外壁を残して内部を解体するやり方、外壁も内部もすべて解体してしまうやり方、外壁だけを一新させるやり方があります。建材がどこまで老朽化しているのかで、工事をしてどんな建物に変えたいのかによって最適なやり方を選ぶことができます。

一般的にリフォームというのは新築の状態にすることで、リノベーションは元の住宅に付加価値を加えることです。ですからリノベーションとの違いはあるのかというと、実はスケルトンリフォームもリノベーションの一種として考えることができます。ただ、リノベーションはすべての場合でスケルトンリフォームであるのかというと、そういうわけではありません。間取りの変更や新しい設備の設置などは、部分リフォームと同じ範囲でも可能だからです。

では、そこまで大規模の工事をするのであれば、建て替えてしまったほうが良いのではないかという疑問が出てきます。でも費用の面で建て替えよりも安く済むので、スケルトンリフォームをしたほうがお得です。

なぜなら建て替えを選んだとき骨組み・構造体の部分も含めてすべて解体して、またつくるのにはかなりの費用がかかるからです。すべてを解体すれば廃棄する建材の量も増えますから、その処分費用も増えるでしょう。それらの費用を節約できれば、総工事費用は大幅に抑えられます。もちろん、数十年前に建てられていますから当時の技術は今よりも劣っていますし、1981年の建築基準法改正以前の建物なら耐震基準も違います。これから長く住み続けたいのであれば耐震補強はしなければいけません。建材の中には年月を経て劣化しているところもありますから、その部分の補修も必要です。その工事次第では建て替えたほうが安くなることもあります。最終的には建物の劣化具合を検査してもらい、見積もりをだしてもらってから工事のやり方を決めることになります。

あと、建て替えをしようとしてもできないケースに対応できます。たとえば家を新築するときには、土地に一定の幅の道が接していなければいけません。これを接道義務といいます。しかし、古くからある家だと狭い道にしか接していなくて、現代の法律では建て替えができなくなります。接道義務を満たしていないときには、居住スペースを減らして道路を作り接道義務を満たすことはできます。それも一つのやり方ではありますが、家が小さくなればこれまでのような生活はできなくなります。ですから、骨組み・構造体以外はすべて一新したとしても新築ではないということで、スケルトンリフォームならば以前の建物と同じ床面積を維持できます。

なお、全体的に手を加えるために部分リフォームと違って、住人が生活をしながら工事をすすめることは難しいです。なのでその間に暮らすための仮住まいを用意しなければいけません。もし、狭いホテルやアパートを仮住まいとするならば、家財一式をトランクルームや倉庫に預ける必要があります。

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