システムバスを含め、どの設備機器にも当てはまることですが、価格が高ければ良いもの、使いやすくて、お気に入りのデザインになるというわけではないので、しっかりと比較して選ぶ必要があります。しかし、住宅設備機器メーカーや、シリーズ、グレードは数多くあるので、システムバスを選ぶ時には、何を基準にどんなデザインを選べば良いか分からない、と悩む方は少なくありません。その中でも、最近はデザインがシンプルなシステムバスが人気です。
そこでここでは、シンプルなシステムバスがなぜ人気なのか、またシステムバスを選ぶ際にお金をかけるべき大切な点はどこか、ご説明したいと思います。
1.シンプルなシステムバスはメリットだらけ!
最近のリフォームや新築で選択されることが増えているシンプルデザインのシステムバスですが、その人気の理由は見た目だけではありません。シンプルなシステムバスとはどのようなものか、またシンプルさゆえのメリットもご紹介したいと思います。
■シンプルなシステムバスってどんな浴室?
ひと昔前までは、浴槽が広く、腰をかけられるベンチや収納ラックが付いているもの、肩湯や打たせ湯などの機能付き水栓など、バスタイムを充実させるアイテムを多く取り入れたシステムバスを選ぶ方が多くいらっしゃいました。しかし、最近はむしろ出来る限り無駄を省いて、壁面には何も付けず、浴槽とシャワー水栓のみといったシンプルに仕上げる方が増えています。浴槽の形状も曲線がなく、直線的な長方形でスッキリとした印象を与えるものが人気です。
また、照明も壁に凹凸が出来てしまうブラケットタイプではなく、天井埋め込みタイプやスリムタイプなど、スッキリとした印象を与える照明が採用されています。
さらに、以前は浴室テレビやサウンドシステムを設置してバスタイムを楽しむ方が少なくありませんでしたが、最近は使い慣れているスマートフォンやタブレットを持ち込んで動画を視聴したり、防水スピーカーを持ち込んだりして、浴室に限らずどこでも使えるグッズが増えているため、充実したバスタイムを楽しむ場合でも、浴室内に設置するものを減らすことが出来ています。
■シンプルなシステムバスが人気のワケ
●掃除がしやすい・・・シンプルなシステムバスが人気である最大の理由が掃除のしやすさです。収納ラックなどの物がないだけで、汚れが溜まりにくいうえに直線的で掃除がしやすいというメリットがあります。
●オシャレ・・・シンプルでモダンな雰囲気が生活感のないホテルライクのようでカッコいいと人気です。色のコーディネート次第で、どのテイストにも合わせやすいという特徴もあります。
●開放的に見える・・・無駄のないデザインなので、浴室のサイズに関わりなく、浴室が広く開放的に見えるという視覚効果があります。
●価格を抑えられる・・・シンプルなデザインは、どのメーカーでも標準仕様としてあるので、選択肢が広く、価格の比較もしやすいデザインです。そのうえ、無駄なアイテムを省くため、価格を安く抑えることが可能です。
2.システムバスでお金をかける・こだわるべきはどこ?
システムバスを選ぶ際には、シンプルという見た目だけではなく、目に見えない部分にも注目しておく必要があります。どんな点にこだわって、お金をかけるべきなのか、システムバス選びで大切な点をご説明したいと思います。
■後付けできるものかどうかを考える !
収納ラックやボトルを入れるカゴ、タオルハンガー、フックなど、アクセサリー類はあると便利そうだと思って沢山付けたくなるかもしれませんが、シンプルなシステムバスのメリットを活かすのであれば、アクセサリーやオプションは最低限にとどめるようにしましょう。
特にアクセサリー類の多くは、マグネットが使える壁であれば、後付けできる商品が今は市販で売っているので、いつでも購入が可能です。しかも、百円商品など、安く購入出来るもの多くあります。人気の調光できる照明も、後々使わなくなるケースもあるので、防水でコードレスタイプのライトを市販で購入して持ち込むという方もいます。何を、どこに取り付けると掃除がしやすく使いやすいか、どんなデザインが合っているか、購入前に悩む場合は特に、リフォームの際にセットで購入するのではなく、実際に入浴をして使い勝手を確認したうえで後付けする方が快適な浴室になるかもしれません。
しかし、浴室内に洗濯物を干すためのランドリーパイプや手すりなどは、重いものを支えることになるので、強度が必要です。安全性を確保するためにも、必要なことが分かっている場合は、後付けではなくリフォームの時点で一緒に取り付けてもらいましょう。シャワーバーと兼用できる手すりもあるので、設置する際に、位置や数をよく考えて取り付けましょう。
絶対に必要なもの、工事が必須となるものは何か、後付け可能なものは何かを良く考えて、システムバスのアクセサリーやオプションを選びましょう。
■お金をかけるべきなのは断熱性&機能性
後付けできないシステムバスの構造的な部分や、機能的な部分は設置することによるメリットが多いので、こだわってお金をかけるようにしましょう。
例えば、水はけの良い床材や床のデザインは、システムバスを構成する部分でもあり、日ごろの掃除のしやすさ、汚れの目立ちやすさなどに影響する部分なのでこだわって選びましょう。
さらに重要な点として、浴室の断熱性能には、お金をかける価値があります。浴槽に断熱材が入っているシステムバスは、多くのメーカーで標準となってきましたが、浴室全体や、断熱フタを採用する場合は、ハイグレードを選んだりオプションだったりします。初期費用はかかるものの、安定した温かさを保ち光熱費が削減できることを考えるなら、お金をかけるべき部分と言えます。
また、節水水栓やLED照明など、節水や省エネになることが分かっているものは、初めから選んでおくことがおススメです。メーカーやグレードによっては、標準仕様のものもあれば、オプションになるものもあり、費用に影響するので、機能面と価格を比較することが大切です。
3. まとめ
最近は、シンプルなデザインのシステムバスを採用する方が増えています。シンプルなデザインにすることで、掃除がラクになったり、ホテルライクのようなオシャレでモダンな浴室になったり、開放的に見えるだけではなく、価格を抑えることも出来てメリットが多くあります。シンプルなシステムバスにリフォームする際は、出来るだけ無駄を省き、後付け出来るものは自分で購入することで、お得になりますし、より使いやすい浴室になります。しかし、安全面に影響する部分や床や壁を構成する部材、断熱性や省エネに関係する部分は、こだわってお金をかけるようにしましょう。
シンプルなシステムバスにリフォームして、オシャレで掃除がラクで快適な浴室を手に入れてみませんか?