開放的で明るいリビングとして吹き抜けリビングは人気ですが、冬が近づくこの時期になると、寒さに悩まされるというお宅は少なくありません。どんなに見た目がオシャレで明るさは確保出来ていても、寒さに耐えなければいけないとなると、冬は快適な空間とは言えないかもしれません。
そこで今回は、吹き抜けリビングの寒さに悩まされている方が工事なしで、今すぐできる対策をご紹介したいと思います。また、リフォームによるどのような解決策があるかもご紹介したいと思います。
1.吹き抜けリビングの寒さに備えて今出来ることは?
とにかく今からの寒さに備えてすぐに対策したいという方に、寒さの原因を知って、工事をすることなく、比較的手軽にできる寒さ対策をご紹介したいと思います。
■吹き抜けリビングが寒くなる理由は?
吹き抜けリビングが寒いと感じる理由はいくつかあります。例えば、同じ床面積のリビングでも天井が高い分、容積が大きいので空気を温めるには時間がかかり、構造上寒くなりやすい造りといえます。しかも、明るさを確保するために大きな窓があると、外気の影響を受けやすくなります。
さらに、暖かい空気は上へ移動する性質があります。天井が高い吹き抜けリビングでは、暖房を使っても暖まった空気は上へあがり、上部にある窓から外気の影響を受け冷やされた空気は下降するため、リビング内の上部と下部には温度差が生まれ、暖房を使っているにも関わらず床付近は一向に温かくならない、むしろ寒さを感じるというケースは少なくありません。
■シーリングファンやサーキュレーターで寒さ対策
暖かい空気が上へあがってしまっていることを考えると、空気が循環するようにすることで、寒さが和らぐかもしれません。そのため、天井にシーリングファンを設置することで空気の循環が行えます。しかし、シーリングファンを新たに設置するためには、天井を補強してファン用の電気配線も必要となります。そのため、新たに設置するのではなく、吹き抜け部分の照明をファン付きのシーリングファンライトに変えることで、設置場所や配線の心配がありません。
天井にシーリングファンを設置できない場合は、サーキュレーターを使用して空気を循環させましょう。リビングの床に置くことも出来ますし、吹き抜けが2階の部屋や廊下と繋がっているのであれば、上部からリビングに向かって使用することも出来ます。シーリングファンもサーキュレーターも、冬の寒い時期だけではなく、夏の暑い時期にも暑さ対策として使用できるので便利です。
また、外気の影響を受けやすい窓にロールスクリーンやカーテンを設置するだけでも、寒さ対策が行えます。リビング内に2階への階段がある場合は、階段の出入口にカーテンなどドアの役割を果たすものを設けることで、暖かい空気を逃がさないようにも出来ます。
2.吹き抜けリビングを快適にするために出来るリフォームとは?
今出来る寒さ対策は、一時的なものだったり、一部分だったりして対策にすぎないかもしれません。根本原因を解決するためにはリフォームが必要となります。吹き抜け部分を生かしたままで、どんなリフォームをすれば良いのか、解決策をご紹介したいと思います。
■家全体の断熱性と気密性を上げる!
高気密高断熱の家は、外気の影響を受けることなく、どの部屋にいても安定した快適な室温に保つことが出来ます。それは吹き抜けリビングがある家でも当てはまります。ですから、家全体の断熱性と気密性を上げるリフォームを行いましょう。
屋根や壁に断熱材を入れるだけではなく、外気の影響を一番受けやすい窓をペアガラスやトリプルガラスなどの複層ガラスにしたり、二重窓にしたりすることによって断熱性能を上げることが出来ます。窓を小さくしたり、日の入りにくい窓を無くしたりすることも効果的です。
■開閉可能な天井にする!
冬の寒い時期だけでも、吹き抜け部分に蓋が出来れば天井が低くなり、暖かい空気が上昇しすぎるのを防ぐことが出来ます。
その点で効果的なのが、1階の天井ぐらいの高さで、シェードやロールスクリーン、天幕カーテンを設置して吹き抜け部分を覆う方法です。吹き抜け以外にもガラス張りのサンルームや天窓に使用されています。開閉が出来るので、日中の日が当たる時間帯は開けて室内を温め、日が沈む前に閉めることで、自然の力を活用することも出来ます。夏の日差しが強い時には日よけの役割も果たしてくれます。設置さえしてしまえば、電気代はかからないので省エネですし、開けることが出来るので吹き抜けの開放感やオシャレさを失うこともありません。暖房の効きが良くなれば、暖房光熱費を抑えることも出来ます。
素材やデザイン、ハンドル付の手動タイプや電動タイプなど、開閉方法もいくつか種類があるので選べます。開いた状態になったときの見栄えなども、素材によって異なるので、吹き抜け部分のサイズや梁の位置なども踏まえて商品を選びましょう。
3. まとめ
開放的で明るいリビングを演出してくれる吹き抜けリビングは人気ですが、冬になると寒さを感じ、快適ではないと悩んでおられる方は少なくありません。天井が高くなることで、リビングの体積が大きくなり暖房の効きが悪くなったり、明り取りの大きな窓が外気の影響を受けて暖かい空気が上昇し、冷たい空気は下に溜まったりして寒いリビングになっているかもしれません。工事なしでも行える対策として、吹き抜け部分の照明をシーリングファンライトに変えたり、サーキュレーターを使用したりして空気を循環させることが出来ます。また、家全体の断熱性能や気密性能を高めるリフォームや開閉可能な天幕カーテンを設置して天井を覆う方法は、吹き抜けのメリットを残したまま寒さ対策が行えるので効果的です。
寒さに備えて今出来ることだけではなく、快適に暮らしていくためのリフォームも検討してみましょう。

