様々なインテリアテイストや暮らし方がある中で、オシャレなホテルライクな家に憧れる方が増えています。しかし、中にはホテルライクな家を建てたりリノベーションしたりして理想が叶ったかと思われたものの、実際に暮らしてみると、暮らしづらさを感じているという方もいらっしゃいます。オシャレな家にしたくても、暮らしづらい家になってしまうのは問題です。

ホテルライクな家の何が暮らしづらさを生み出しているのでしょうか?ホテルライクな家でも快適に暮らすにはどうすれば良いのか、ポイントをご説明したいと思います。

1.ホテルライクな家は生活感が無さ過ぎて不便!?

そもそも、ホテルライクな家とはどのような家なのでしょうか?暮らしにくいと感じさせる原因はどこにあるのか、プロの目線で解説したいと思います。

■ホテルライクな家とはどんな家?

ホテルライクとは、ホテルのように非日常が味わえる清潔でスタイリッシュな生活感のない部屋や住まい、アイテムのことを指します。

ホテルにも色んなテイストがあるように、ホテルライクにも決まったインテリアテイストはありません。どんなテイストだとしても、慌ただしい日常から解放されるような、無駄なものがない洗練された、落ち着ける空間という共通点があります。

また、ホテルの特徴でもある、贅沢な気分にさせてくれるような高級感やデザイン性の高さ、上質な素材が使われているのもポイントです。

ホテルは、生活感がないとはいえ無機質なものではなく、リラックスできるような快適さもあります。ホテルライクな家も、ホッと出来て、ゆっくりと時間が過ぎるような温かな演出も大切なポイントです。

■ホテルライクな家は暮らしにくい?

ホテルライクな家は、見栄えが良く、癒されるものの、生活感の無さがむしろ生活のしづらさに繋がってしまい後悔しているという方もいらっしゃいます。

例えば、生活感を無くすために収納家具を置かなかったり、生活用品が使いやすい位置にレイアウトされていなかったりして、家事に時間がかかってしまっているというお宅があります。本当にホテルのような生活に特化していない間取りにしてしまい、動線が悪かったという失敗例もあります。

また、生活感を無くすために常に整理整頓されてキレイな状態に保つ必要があるため、神経質に片付けを意識してしまったり、物が少なくシンプルな分、汚れが目立って掃除がストレスになってしまったりしたという方もいらっしゃいます。中には、ホテルライクな空間を維持することに疲れてしまい、反動でむしろ片付かない家になったというケースもあります。

非日常感を味わうことで癒されるホテルですが、家は日常生活を送る場所なので、本当に生活とかけ離れたホテルのような住まいにしてしまうと、暮らしづらさを生み出してしまいます。非日常感を演出するだけであれば問題ありませんが、物理的にも非日常を造ってしまうと落ち着ける家にはなりません。

2.ホテルライクな家でも快適に暮らすためには?

ホテルライクな家にしたために暮らしづらさを感じている方もいますが、原因を踏まえたうえで家づくりを行えばホテルライクな家でも住みやすい快適な家にすることは可能です。どんな点を意識すれば良いのか、ポイントをご紹介したいと思います。

■生活感を『無くす』のではなく生活感を『隠す』を意識!

ホテルライクな家にコーディネートするからといって生活に必要なものを無くしてしまうと、不便になってしまいます。ポイントは無くすのではなく、隠すことです。家具や物を置かないのではなく、見えないようにする、隠す収納にすることで、見た目には生活感を無くすことが可能です。そして、室内に余白を作ることが重要です。動線を考えて使いやすい位置に家具や設備機器をレイアウトする場合、雑貨などの日用品は隠し、壁や床などの室内の余白となる部分は見せることを意識しましょう。

そのため、必要な場所に必要な量の収納を設けることが大切です。必要な物はしっかり持っていても、十分に収納する場所があれば、室内に散らかることもないので生活感も出ません。特に、ホテルの部屋には無く、サイズも大きな家電は生活感が出てしまうので、隠すことを意識する必要があります。

だからといって部屋の中に収納が多く、扉が多いと、家具が少なくてもシンプルなコーディネートになりません。目立たない位置に収納を設けたり、シューズクロークやファミリークローゼットなど、まとめた大容量収納を設けたりすることで、扉の数を減らし、空間をスッキリ、余白を見せることが出来ます。

■カラーコーディネートで上質な空間に!

実際のホテルのインテリアは、決められたコンセプトに沿ってコーディネートします。その点を住まいにも取り入れることで、インテリアをホテルライクな非日常を感じる癒しの空間にすることが可能です。

まずは、どんなテイストにするかコンセプトを決めましょう。リゾートホテルのようにしたいのであれば、アジアンテイストやバリ風に、高級感のある雰囲気であればヨーロピアンテイストやクラシックスタイル、ラグジュアリーテイストなどコンセプトを決めたうえで、床や壁、ソファーなどの家具やカーテン、ファブリックなどカラーコーディネートを行うと、ホテルのような統一感のある空間になります。好みのホテルがあれば、テイストや色の使い方、使用している素材を参考にしてインテリアの要素を取り入れるのがおススメです。ただし、お手本にするのはコーディネートの仕方だけにとどめ、家具やレイアウトは参考程度にしましょう。ホテルの動線と生活動線は違いますし、部屋の広さも違うため、ホテルの部屋をそのまま住まいに取り入れてしまうと生活しづらくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

また、暗いトーンでのコーディネートはシックで落ち着いた雰囲気になりますが、ホコリや手垢が目立ちやすいというデメリットがあります。掃除のストレスを出来るだけ軽減したいのであれば、ダークトーンでのホテルライクコーディネートは避けましょう。ホワイトベースであっても、アクセントにダーク色を使うことでシックにすることは可能です。

3. まとめ

慌ただしい日常を忘れさせ、非日常感が味わえるホテルのような空間、ホテルライクな家はオシャレで心地良さを求める方に人気です。しかし、ホテルを再現したような生活感を無くした、物理的にも非日常的な空間にしてしまうと、落ち着けるどころか生活しづらい家になってしまします。生活に必要な物は無くすのではなく、隠して収納することを意識しましょう。また、好みのホテルのコーディネートを参考に、コンセプトやテイストを決めて、カラーコーディネートやインテリアコーディネートを行うことで、ホテルのような洗練された統一感のある空間になります。

非日常を味わえるホテルライクな家でも、日常を快適に過ごすことは可能です。ホテルと便利な家のいいとこどりを目指しましょう!

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