新築やリフォームに対して、継続的に行われている国の補助金として、既存住宅の省エネリフォームにおける3省(国土交通省・経済産業省・環境省)連携事業の 「住宅省エネキャンペーン」が、2025年も新たにサイトを立ち上げ7月28日に公開されました。住宅省エネ2025キャンペーン【公式】

住宅省エネキャンペーンには、『子育てグリーン住宅支援事業』・『先進的窓リノベ2025事業』・『給湯省エネ2025事業』・『賃貸集合給湯省エネ2025事業』の4つの補助事業があり、それぞれ要件を満たすことで補助を受けられます。

ここでは、お得にリフォームやリノベーションを行ううえで、住宅省エネキャンペーンの中で特に活用されている、『子育てグリーン住宅支援事業』と、『先進的窓リノベ2025事業』の2つの補助事業に注目して、活用の際のポイントをご紹介いたします。

1.子育て世帯以外も使える「子育てグリーン住宅支援事業」

子育てグリーン住宅支援事業は、どんなリフォームが対象となるのか、ご説明したいと思います。

■子育てグリーン住宅支援事業って何?

子育てグリーン住宅支援事業は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯に対して、新築では、「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入に、既存住宅に関しては、省エネ改修等に支援を行う事業です。

「子育て」という名前がついていますが、実は子育て世帯でなくとも、断熱リフォームや住宅設備の省エネ化を行うことで、幅広いリフォーム工事が対象となります。

新築に対しての補助がメインの事業ですが、既存住宅のリフォームに対しても、必須工事の3種、①開口部の断熱改修、②躯体の断熱改修、③エコ住宅設備の設置、のうち全てを実施した場合は、上限60万円/戸、いずれかの2種を実施した場合は、上限40万円/戸の補助が受けられます。付帯工事として、子育て対応改修、バリアフリー改修等も対象となります。

補助金申請額が予算上限(100%)に達し次第、応募締め切りとなりますが、7月の時点で10%以下なので、現時点では申し込み可能です。

予算に対する補助金申請額の割合(リフォーム)|子育てグリーン住宅支援事業【公式】

子育てグリーン住宅支援事業は、補助対象が重複しない場合に限り、併用が可能です。例えば、同じ住宅省エネキャンペーン内の先進的窓リノベ事業や、給湯省エネ事業と併用が可能です。また、国の他の補助制度では、サステナブル建築物等先導事業やCEV補助金(V2H充放電設備)が併用できます。同時に申し込みや手続きを行う必要もあるので、併用できる補助制度や助成制度がないか、確認しておくことが大切です。

■2025年9月15日以降は要件が見直される!

住宅の省エネ化を促進するために実施されてきた事業ですが、申請者の中には、壁に新たに多数の窓を設置するなど、改修の前後で住宅の総合的な断熱性能が向上したとは考えにくい事例が確認されたため、補助対象要件の見直しが行われました。

2025年9月15日以降に設置する外窓やドアに関して、下記のものは対象外となります。

●外壁等に新たに開口部を設けて設置する外窓・ドア (既存サッシと同数までが補助対象)

●既存の開口部を拡張して設置する外窓

●開口部の位置を変更して設置する外窓・ドア

助成制度や補助制度を活用して、出来る限りお得にリフォームをしたいと思うものですが、本来の目的に反して受け取ることがないように、また虚偽の申請を実施しようとするリフォーム会社に依頼することがないように注意しましょう。

2.「先進的窓リノベ2025事業」

先進的窓リノベ2025事業では、どんなリフォームに補助金を活用できるのでしょうか?確実に活用するためのポイントを抑えておきましょう。

■先進的窓リノベ2025事業って何?

先進的窓リノベ2025事業は、住宅の早期の省エネ化を図り、エネルギー費用 負担の軽減および住まいの快適性の向上と、2030年度の家庭部門からのCO2排出量66%削減、高い生活の質の実現に貢献するとともに、先進的な断熱窓の導入加速により、 価格低減を促進することで関連産業の競争力強化・経済成⾧を実現し、くらし関連分野のGXを加速させることを目的とする事業です。その目的を促進するために、既存の住宅の開口部に、高い断熱性能を有する窓やドアなどに交換する、断熱リフォーム工事に対して補助が行われます。

工事により設置する窓やドアなどの対象製品の性能および大きさ、設置する住宅の属性に応じた対象製品ごとの補助額(定額)の合計を補助額とし、1戸あたり200万円を上限として補助されます。 交付申請は1申請あたりの合計補助額が5万円以上の工事が対象です。

工事請負契約が結ばれていない工事やDIYによる窓リフォームは補助対象とならないので、窓リノベ事業者のリフォーム会社に依頼することが必須です。

補助金申請額が事業予算1,350億円に達し次第、応募締め切りとなりますが、7月の時点で20%以下なので、現時点では申し込み可能です。

予算に対する補助金申請額の割合|先進的窓リノベ2025事業【公式】

■どの事業を活用すべきか比較しよう!

対象となるリフォーム工事は、窓ガラスの交換、内窓の設置、外窓交換、ドア交換です。

同じ性能を有する窓等でも、リフォームを行う住宅の立地や構造等によって子育てグリーン住宅支援事業よりも先進的窓リノベ2025事業を利用した方が、補助額が高い場合があります。

また、先進的窓リノベ2025事業では対象とならない製品や工事でも、子育てグリーン住宅支援事業であれば対象になるものもあります。どの事業を活用できて、お得になるのか、しっかり比較して申請を行いましょう。

3. まとめ

2025年も引き続き住宅省エネキャンペーンによる補助制度が実施されています。特にリフォームでは、子育てグリーン住宅支援事業や、先進的窓リノベ2025事業が活用出来ます。子育てグリーン住宅支援事業では、開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置が、先進的窓リノベ2025事業では、断熱性能を高めるための窓ガラスの交換、内窓の設置、外窓交換、ドア交換が補助の対象となります。工事内容によっては併用できるものや、選択する事業次第で補助額が高くなるものもあるので、しっかり確認や比較することが大切です。

断熱性能や省エネ性能を高める家へリフォームするなら、住宅省エネキャンペーンを活用してお得にリフォームましょう!

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