快適な家にするうえで、十分な明るさを確保することや、風通しの良い家にすることは重要です。そのため、窓をどこに、どんなサイズにするかは慎重に考えなければいけません。しかし、よく考えて選んだつもりでいたのに、失敗したと感じている方は少なくありません。
窓を設置したり、リフォームしたりする際に、よくある失敗例から、快適な暮らしを手に入れるための窓選びのポイントを学ぶことにしましょう。
1.窓選びの失敗例から学ぶ ~デザイン編~
窓を選ぶ際に、外観や室内からの見た目を重視する方は少なくありません。しかし、窓単体で考えてしまった結果、窓選びを失敗したと感じておられる方は多くいます。デザイン面でのよくある失敗例から、窓選びのポイントをご紹介したいと思います。
■大きな窓・特注窓は網戸もセットで考える!
とにかく明るく、開放感のある家にしたいと、大きな窓を設置した方の中には、窓のサイズに合う網戸がなく網戸を付けなかった結果、虫の侵入が防げず、窓を開けられないと後悔するケースがあります。家の雰囲気を考えてあえて網戸を設置しなかったという方も、網戸が無いことで、予想以上に虫や砂埃が入って、家の中が汚れやすくなり、後付けを検討しなければいけなくなったという失敗例もあります。
窓のサイズが特注で大きかったり、海外製のオシャレな窓だったりすると、日本の規格サイズの網戸が合わず、網戸も特注になる可能性が高く、価格も高くなってしまいます。しかし、開閉できる窓の場合は、網戸がなければ先でも取り上げた通り、虫や砂埃を防ぐことが出来ないので、窓を開けることを躊躇するようになってしまうかもしれません。
規格サイズ外の開閉窓の設置を考える場合は、網戸を取り付けることが出来るのか、規格サイズの網戸が合うか、特注の場合はいくらになるのかを確認して、網戸もセットで考えるようにしましょう。
また、網戸だけではなくカーテンやブラインドなども特注になってしまうことも覚えておきましょう。費用を抑えたいと思っている方は、規格サイズではないものが多ければ多いほど、金額が高くなってしまいます。量産されていないため、デザインの選択肢も少なくなってしまいます。窓だけではなく、網戸やカーテンなど、他のどんな点に関係するかも考えて窓のサイズを考えることは重要です。
■家具のレイアウト・高さを考える!
窓の位置や設置高さ、サイズを考える際には、明るさや見た目など、窓のことだけを考えるのではなく、家具のレイアウトもセットで考えるようにしましょう。
家具のことまで意識していなかった方の中には、窓を多く設置したり、見晴らしの良い大きな窓にしたりしたために家具を置く場所がなく、せっかくの窓を塞ぐように家具を置かなければいけなくなるという失敗があります。また、チェストやソファーなど背の低い家具を窓近くにレイアウトした結果、子供が上って転落しやすい高さになることから、危険で窓が開けられなくなったというケースもあります。
窓の位置や高さを考える場合は、日光の入り方や風の抜け方を確認することも重要ですが、同時に家具のレイアウトも確認しておきましょう。家具を置く場所が確保できているか、窓の開閉の邪魔にならないか、転落の危険がある高さになってしまわないか、平面上だけではなく、高さなど立体的に確認することを意識しましょう。
2.窓選びの失敗例から学ぶ ~機能編~
窓のデザインやサイズ選びに加えて、快適に暮らすためには窓の性能面に関しても検討しておく必要があります。窓を選ぶ際の、よくある性能面での失敗例から学びましょう。
■断熱性能を徹底する!
外気の影響を受けやすい窓の断熱性能を上げることは、家全体の断熱性アップにつながるので、窓断熱を行う方は多くいらっしゃいます。しかし、ガラスだけにこだわったり、交換したりしてサッシを気にしていなかったために、十分な断熱効果が発揮できていないという失敗例があります。
窓断熱を考える際には、ガラスだけではなく、樹脂サッシなどの断熱性の高い素材を選ぶことを意識しましょう。コストを抑えてガラスのみ交換したり、アルミサッシを選んだりしてしまうと、商品代は安くなっても、結局光熱費がかかってしまうので意味がありません。断熱性能を上げて日々の冷暖房のランニングコストを抑える方が長い目で見ると、お得に快適に暮らすことが出来ます。
さらに、断熱性を意識しすぎて、窓を小さくしてしまったせいで、十分な明るさが得られず、室内が暗くて常に電気をつけていなければならなくなったという失敗例もあります。せっかく太陽光が入る場所でも、窓が小さいと、自然の力で室内を温めることが出来なくなってしまいます。断熱性能を意識するにしても、生活のしやすさが犠牲になったり、使える自然の力を無駄にしたりすることがないように、バランスを考えましょう。
■防犯性能を意識する!
大きな窓、開放的な窓は、室内からの見晴らしが良い分、外からも丸見えになってしまうリスクがあります。窓の設置位置によっては、通行人の目が気になったり、防犯性が下がったりしてしまい後悔してしまうかもしれません。
大きな窓の場合は特にですが、防犯ガラスにすることや、シャッターをつけることなど、防犯性能を意識することを忘れないようにしましょう。
また、道路や隣家から室内がオープンになってしまう可能性があるのなら、何で目隠しをするのかを窓とセットで考えておくことは重要です。窓設置後になって、窓のサイズやデザインに合うカーテンがなかなか見つからなかったり、特注になって完成までに時間がかかったりするケースは少なくありません。泥棒に偵察させるスキを与えないためにも、プライベート空間をしっかり守って安心して暮らすためにも、早い段階でカーテンやブラインドのことも検討しておきましょう。
3. まとめ
窓についてしっかり考えて選んだつもりでいたのに、失敗したと感じておられる方は少なくありません。その原因は、窓単体で考えて関係する部分を意識しなかったことにあるかもしれません。規格サイズの大きな窓や海外製の窓を設置する際には、窓に合う網戸やカーテンがあるか、防犯性能に問題がないかを意識しましょう。また、窓の設置位置や高さを考える場合には、家具のレイアウトもセットで考えることが大事です。さらに、断熱性能を上げるためにガラスだけではなく、サッシの素材も意識しましょう。自然光を活用したバランスの良いサイズにすることも重要です。
窓は室内外の関係する部分が多く、性能やコストにも大きく影響してくるので、失敗例から学んで慎重に素材やサイズを決めましょう。