リフォームやリノベーション、注文住宅などの新築でも、『施主支給』という言葉を耳にすることが多くなりました。しかし、施主支給って何なのか分からない、自分も取り入れることは出来るのか、と不安に感じている方もいます。
何のために施主支給をする方が増えているのでしょうか?施主支給をするメリットや人気のアイテムを、注意点とともにご紹介したいと思います。
1.施主支給もプロとの連携が大事!
そもそも施主支給とはどんなことで、どんなメリットがあるのでしょうか?施主支給を行う時の注意点とともに、ご説明したいと思います。
■施主支給って何?施主支給するメリットとは?
施主支給とは、家づくりに必要な建材や設備、パーツなどを施主自ら購入、用意することです。基本的には、商品だけを施主が用意するので、設置などの工事は建設会社やリフォーム会社に渡して、プロに行ってもらいます。しかし、用意するものによっては、下地や補強工事だけをお願いして、工事後に自分で設置することも出来ます。
施主支給にはいくつかのメリットがあります。例えば、自分で探し、用意することによってこだわりのものを取り入れることが出来ます。ネットショップや海外ショップなど、建設会社に取引のないメーカーや商品のもの、オーダーメイドの一点もの、自ら手作りしたものを使うことも出来ます。また、価格の安いものを探すことで、商品代を抑えることも出来るかもしれません。
■施主支給だから勝手に!は危険
リフォーム会社や建設会社の中には、施主支給を嫌がる会社もあります。商品によっては、メーカー保証が使えなくなり、取付け時の不具合に対応できなくなったり、準備するタイミングを施主と調整する必要があったり、商品を保管する必要が出てきたりするため、上手く連携が図れなければトラブルの原因になり兼ねないからです。
しかしだからといって、こだわりの部分、気に入っている商品を諦めるなら後悔が残ります。何も伝えずに、工事中に大工さんに直接取付けをお願いしたり、工事後に自分で取付け工事をしたりするならもっと危険です。本来の工事の流れを遮って、予定通り工事が終わらなくなってしまったり、設置に必要な下地が無くて商品の破損や故障、場合によっては綺麗に完成している家を傷つけることさえあったりします。
自分が用意するのだから勝手にすれば良い、と思うのではなく、プランニング段階など出来るだけ早めに施主支給したいものがあることを伝え、購入や搬入のタイミング、どんな工事が必要で、どれぐらいの費用がかかるか事前に打ち合わせを行って、上手く連携できるようにしておきましょう。
2.施主支給の人気アイテム5選&取り入れる時の注意点
ここからは、お得にデザイン性をアップするうえで人気の、施主支給アイテム5つと、それらを取り入れる際の注意点をご紹介したいと思います。
アイテム1.照明
デザイン性の高いペンダントライトや壁付けのブラケットライトにこだわって自分で用意する方は少なくありません。照明器具は家具屋や雑貨屋、ネットショップでも取り扱いがあり選択肢も多いので、インテリアのテイストに合わせて購入することが可能です。
照明を施主支給する場合は、電線やスイッチが必要となるので、どこに設置したいのかを、前もって伝えておきましょう。照明のサイズや重さによっては、天井や壁が重さに耐えられるように補強を入れてもらう必要があるかもしれません。スタンドライトの場合は、コンセントを設置してもらう必要もあります。
天井用のシーリングライトやペンダントライトは、電気配線に直接つける直結タイプではなく、プラグを引っかけて取付ける引っ掛けタイプにしてもらえば、器具だけを自分で後付けすることが可能です。ただし、天井に埋め込んで直結するダウンライトの場合は、照明機器の取付けに工事が必要なので、電気工事の時点でダウンライトを渡しておく必要があります。
照明の位置を決めかねていたり、頻繁に模様替えを楽しんだりしたいという方は、ライティングレールを設置してもらいましょう。ライティングレールであれば、自由に照明を追加したり交換したり出来るうえに、家具のレイアウトや照明のサイズに合わせて、設置位置を移動させることも出来るので便利です。
アイテム2.カーテン&カーテンレール
インテリアの雰囲気を大きく左右するアイテムとして、カーテンやカーテンレールにこだわって施主支給する方も増えています。
理想のインテリアテイストによって、ロールカーテンなのか、ブラインドなのか、ドレープカーテンなのかなど、似合うカーテンが異なるので、まずはテイストを決めることが大切です。さらに、レールを壁付けにするのか、天井付けにするのか、カーテンボックスが必要なのか、という点も窓のサイズや天井の高さ、取付けスペースの有無などによって異なるため、希望のカーテンレールがあるのであれば、早めに設置が可能なのかプロに確認しておきましょう。
また、カーテンレールを選ぶ際には、単体で色を考えるのではなく、サッシの色に合わせることによって、悪目立ちせず統一感が出ます。窓リフォームの際には、サッシ枠の色も意識してコーディネートしましょう。
アイテム3.カップボード・飾り棚
キッチンメーカーのカップボードよりも、家具屋さんなどで購入する方が、商品代を安く抑えることが出来ますし、選択肢も増えるため、カップボードなどの家具は自分で用意する方は少なくありません。また、キッチン背面の飾り棚を後付けで、DIYで行う方も増えています。
カップボードを自分で購入する場合は、どこに、どのサイズのカップボードを置きたいのか、キッチンのレイアウトを決める際に、図面上に落とし込んでもらいましょう。家具のレイアウトも考えていなければ、十分な通路幅がとれていなかったり、家事導線の邪魔になったり、キッチンやカップボードの扉が緩衝して開け閉めしづらかったりしてしまうかもしれません。大体のサイズで良いので、図面にレイアウトしたうえで、間取りや家事導線を確認しましょう。
また、飾り棚を設置するなど、DIYを行いたい部分には、下地補強をしてもらう必要があるので、事前に位置を決めて、大工さんに伝えてもらうようにしておきましょう。
アイテム4.洗面所アクセサリー
造作洗面所が主流になってきているため、部材にもこだわり、洗面所アクセサリーの施主支給も人気です。鏡、タオルハンガーといった小物だけではなく、タイルなどの建材も準備する方もいらっしゃいます。
鏡は重いので、自分で後付けするよりも、設置位置を決めて大工さんに下地補強をして設置してもらうようにしましょう。
また、蛇口などの水栓金具だけ、もしくは洗面ボウルだけ施主支給にして組み合わせてもらうという方もいらっしゃいますが、設備機器は特に、メーカー推奨の商品での組み合わせではない場合は、メーカー保証が受けられなくなるということもあります。故障した時に問題なく保証が使えるのかを事前に確認しておきましょう。
アイテム5.トイレ内アクセサリー
ペーパーホルダーやタオルハンガーなど、トイレ内のアクセサリーも人気アイテムです。特に、最近はトイレ内に付けるペンダントライトを施主支給する方が増えています。
ペンダントライトを購入する場合は、デザイン性だけではなく、サイズや明るさも確認しておきましょう。思ったよりも大きく、コードが長かったために、圧迫感が出てしまったり、ペンダントライトが眩しい、反対に十分な明るさが無くて暗くなったりする失敗は少なくありません。トイレの広さとのバランスを考えて設置位置を決めたり、パースを作ってもらい圧迫感がないかを確認したり、明るさは十分か、プロのアドバイスを聞いたりして、商品を選びましょう。
3. まとめ
商品代を抑えて、お得に、こだわりのステキな家を造ることが出来るため、施主自ら建材や設備を用意する施主支給を取り入れる方が増えています。施主支給を行う場合は、打ち合わせの段階で、何を支給して、どこに取付けたいのかを伝えて、購入や搬入時期を事前に決めておくことでスムーズに工事が進むように連携しましょう。施主支給で人気アイテムとなっている照明やカップボードは、図面上に設置位置を落とし込んでもらい導線や明るさを確認しておくことが大事です。また、設備機器を支給する場合は、メーカー保証が受けられなくなる場合があるので注意が必要です。
こだわりの、お気に入りの家にするために、自分で選んで購入した施主支給アイテムを取り入れてみるのはいかがでしょうか?