物価の高騰は日々の生活を圧迫しているだけではなく、建築材料や設備機器の値段も少しずつ上がり家づくりにも大きな影響を与えています。毎月、毎年のように様々な物の値段が高騰しているため、物件を探し始めた時や、注文住宅の予算を組み始めた時と比べ、土地の値段や家の値段が、いつの間にか変わってしまっているということもあり、理想の暮らしを叶えるための家づくりに波乱を巻き起こしています。

物価高騰が起きている中でも予算内で家づくりを行うためには、どんな対策が必要なのでしょうか?打ち合わせや契約時に注意しておくべき点を含め、ご説明したいと思います。

1.物価高騰が家づくりに与える影響は価格だけではない!?

物価高騰の影響は具体的に、家づくりにどんな影響を与えているのでしょうか?費用の面や建材を決めるうえで、多くの方が直面しやすい問題をご紹介したいと思います。

■見積確定・契約のタイミングが影響!?

月や年をまたいで打ち合わせをした方の中には、始めに出された見積書からいつの間にか金額が変わっていたというケースがあり注意が必要です。

間取りや建材など、既に決まっている部分に関しては、始めに提示された金額で納得して、その後は確認していないという方は多く、他の部分を悩んでいる間に建材の価格が高騰して当初の見積もりよりも高くなっていることがあります。自分の選択で金額が上がっているのではなく、世の中の相場そのものが上がるタイミングと重なってしまうと金額を抑えることが難しくなります。プランを気に入っているだけに、今さら諦めたくないという思いが強く、費用を調整できずに予算オーバーになってしまうことさえあります。

本来は、金額に変更がある場合や、その可能性がある場合は、担当者側から積極的に変更点を伝えるべきですが、伝達ミスや、伝えたつもりになっているということもあります。特に注文住宅やリノベーションは、暮らしに合わせたオーダーメイドなので、選択することが多いうえに打ち合わせの期間が長くなってしまいます。打ち合わせが長引きそうな場合や、月や年をまたいで物価高騰の可能性がある場合は、見積が確定したり、契約したりするまで、金額に変化がないか、知らない間に見積に変更がないかを注意しておきましょう。

■契約すれば手に入るというわけではない場合もある!?

物価高騰の影響は家づくりの費用が高くなる点だけではありません。設備機器や建材の中には、前もって商品代が高くなる可能性があると分かっているために、価格が上がる前に購入しようとする人が増えて品薄になってしまいます。

品薄になっている商品でも、契約さえしておけば手に入ると思いがちですが、基本的には契約後に発注したタイミングで商品を抑えて納期が決まります。

建材や設備機器の価格が高騰する中で、早めに発注した人から納品されるため、発注のタイミングによっては、品薄になっていて在庫を取り寄せたり、加工・製造待ちになったり、商品はあるものの燃料費が高くなっていることから、輸送回数を減らして出来るだけまとめるために、普段より手元に届くまでに時間がかかったりして、工事期間中の納品に間に合わなかったり、お気に入りの設備がいつ作られるのか、いつ再入荷出来るのか分からなかったりして、工事がストップしてしまうこともあります。

また、契約時には在庫がある商品でも、メーカーや問屋さんの休みや連休と重なって発注までに期間が空いてしまうということもあります。さらに、担当者の発注や手配が遅いと、最悪な事態として欠品してしまい手に入らないということさえあります。購入できないため、お金はかかりませんが、お気に入りのものであれば特に、家づくりのプランに影響しますし、再度新たなものを選ぶ手間もあります。

契約さえすれば安心というわけではないので、焦って契約しないためにも、事前に、いつまでに契約すればいつ発注してもらえるのか、契約前に商品の仮押さえは可能なのか、を確認するようにしましょう。発注手続きを含め、連絡がマメな担当者かどうかの確認も重要です。

2.物価高騰による予算オーバーリスクを軽減するためには?

家づくりは、少なからず物価高騰の影響を受けてしまいますが、予算オーバーしてしまうほどの影響を受けないように注意することは出来ます。どのように予算オーバーのリスクを軽減できるのか、注意点や対策をご紹介したいと思います。

■こだわりのものは在庫と代替品をチェック

物価高騰に伴って、お気に入りの建材や設備機器が品薄になりやすい可能性がある場合は、早い段階で、在庫数を確認してもらうようにしましょう。在庫数が少ないものであれば、発注のタイミングが重要です。いつまでに発注すべきかを担当者と打ち合わせして確実にしておきましょう。

また、最悪の事態に備えて、こだわりの部分は特に、代替品となるものもピックアップしておくと安心です。選択肢を残しておくなら、手に入らないために急いで選んで、納得のいかない物を選ぶことになったり、予算オーバーしてしまったりすることを防げます。

■『もしもの時』の確認を怠らない

契約して発注の時点で建材の価格が高騰したり、商品の在庫がないために工事が長引き、人件費などの工事費用がかかったりして、契約後にプラスでお金がかかる時に、施主が支払うのか、会社が支払うのかでトラブルになるケースは少なくありません。

もしもの時を想定して、誰がプラスの費用を負担するのか、しっかり確認しておきましょう。「先のことで分からないし、たぶん大丈夫ですよ。」と曖昧な返事をする会社には注意が必要です。いつ、どれだけ価格が高くなるのかなど細かな点は分からないとしても、予想される問題にどのように対応するかに関しては事前に決めておくことが出来ます。

見積書や契約書に、価格変動の影響でプラスの金額が発生する場合にだれが負担するのかなどを記載してもらい、お互い納得のうえで打ち合わせ、契約を進めるようにしましょう。

3. まとめ

物価高騰の影響は、日々の暮らしの中だけではなく家づくりにも大きな影響を与えています。打ち合わせが長く、月や年をまたいでしまうと、建材や設備機器の値段が高くなって、当初の見積もりより高くなってしまうことがあります。また、契約すれば安心というわけではなく、いつ発注するかにかかっているので、発注のタイミングによっては、価格が上がったり、納品までに時間がかかって工事がストップしたり、手に入らなかったりすることもあり得るので注意が必要です。物価高騰による予算オーバーのリスクを軽減するために、打ち合わせ時でお気に入りの建材や商品の在庫を確認することや、代替品を選んでおくこと、もしもの事態が発生した際にどんな対策をとるのか、契約書に記載してもらうようにしましょう。

物価高騰の中でも、予算内でお気に入りの家を建てるために、しっかりと準備しておくことが重要です!

Follow me!