毎日使う空間だからこそ、トイレ内も好みのテイストに仕上げてオシャレにしたいという方は増えています。その一方で、実用的で使いやすい空間にするには生活感が出てしまうものの収納も十分に確保したいと思う方も少なくありません。しかし、広さが制限されて他の部屋と比べると狭いトイレでは、収納スペースを確保しづらかったり、オシャレにならなくなったりして難しさを感じている方もいらっしゃいます。

マンションでは約0.4坪、戸建てでは約0.5坪~0.75坪の広さが一般的なトイレ内に、収納スペースを確保しつつオシャレな空間にするためには、どんな点を意識すると良いのか、収納のどんなアイディアがあるのかをご紹介したいと思います。

1.トイレの収納を確保するには良い計画が必須!

オシャレなトイレと、収納が充実した使い勝手の良いトイレのどちらも実現するためには、しっかりと考慮、検討したうえでトイレのレイアウトを計画していくことが必須です。どんな点を意識してプランニングすると良いのか、ご説明したいと思います。

■何を収納したいかをよく検討しよう!

トイレ内に収納できるスペースさえあれば使いやすくなるというわけではありません。何を収納したいのかをよく検討しておかなければ、収納を設けたもののスペースが小さくてほとんど何も入らなかったり、反対に収納をとることばかり意識して必要以上に広くとってしまい、トイレが狭くなったり、タオル掛けや鏡などトイレアクセサリーを使い勝手の悪いところにレイアウトする結果になったりして後悔が残るトイレになってしまうことがあります。

暮らしにあったトイレ収納にするために、まずは何を、どのように収納したいのか細かく書き出してみましょう。例えば、トイレットペーパーのストックを収納する場合は、常にどれぐらいの量を置きたいのか、『何を』だけではなく、『どれだけ』という点も具体的に考えておくことが重要です。手元には替えのロールを2つ、他の部分にストックを何ロールかまとめて収納したいなど、トイレ内に収納したいものでも、全て同じ場所に収納したいわけではないものもあります。他にも、掃除のためのトイレブラシは収納内ではなく、便器横の床に置きたいという場合もあります。まとめて収納したいものごとにグループ化して収納したいものをピックアップすることで、どこにどれぐらいの広さの収納が必要かを把握することが出来ます。隠したいもの、見せても問題ないもので分けることも出来るかもしれません。

■トイレ内に優先順位の高い設備機器からレイアウトする

トイレ内のレイアウトを考える際には、収納やテイストを決めることも大事ですが、まずはトイレや自分の家にとって必要な設備機器の種類やサイズを確認しましょう。

トイレには必須となる便器や紙巻器、その2点に加えて、手洗い器や鏡、リモコン、手すりなどのアクセサリー類といった必要なものを全て列挙して、それぞれのサイズや形状を確認しつつレイアウトしていきましょう。それらは、トイレ内にレイアウトするうえで優先順位の高いものなので、必要なものを使い勝手の良い位置に置くことを意識することが大切です。トイレマットやスリッパ、芳香剤の有無も検討しておくと、より具体的に考えることが出来ます。

そのうえで、収納スペースがどれだけ確保できるか、どの位置にあると便利かを確認すると使い勝手の良さを保つことが出来ます。必要な設備機器やアクセサリーをレイアウトしたうえで、色やデザインなどをコーディネートしたり、プラスのアイテムでさらにオシャレにできないかを検討したりします。優先度の高いものから順番に確認しながらトイレ内にレイアウトしていくことで、デッドスペースを無くしてバランスよく配置できたり、好みのテイストにコーディネートしやすくなったりします。

さらに、ドアの種類や位置も確認しておきましょう。壁としてはスペースがあるように感じる場所でも、ドアが引き戸であれば引く部分の壁には、アクセサリーや収納スペースを設けることは出来ません。ドアノブとカウンターやタオル掛けが当たってしまうこともあります。

アクセサリーの取付け高さのバランスや照明の明るさや高さ、ドアを開け閉めした際に問題がないかなど、平面図上では分からない部分もあるので、立面図やパースで立体的に確認したり、実際にトイレ内でアクセサリーを設置したことを想定して動作確認をしたりして、見栄えだけではなく使い勝手の良い空間を意識しましょう。

2.オシャレなトイレ内収納のアイディア4選

自分の家のトイレに必要なもの、最低限欲しい収納スペースの広さ、便器やアクセサリー、ドアの位置を確認したうえで、実際にどのように収納スペースを設けることが出来るのでしょうか?オシャレなトイレにするうえでも参考にしたいトイレ内収納のアイディアを4つご紹介したいと思います。

■ニッチ収納

トイレ内の壁厚を活用した、掘り込みタイプのニッチ収納は、壁よりも凹むため、トイレが狭くならないというメリットがあります。また、見せる収納になるものの、ニッチ内の上部が空いていないためホコリが付きにくいため、予備のトイレットペーパーを収納するうえで人気です。トイレの奥行きの長さに合わせてカウンターのように長いニッチを造れば、収納だけではなく飾り棚としても活用したり、リモコンをレイアウトしたり、収納以外のスペースとしても活用可能です。

ただし、壁の厚みを利用するので、壁厚以上の奥行きのあるものは収納できないというデメリットがあります。

■壁埋め込み造作収納

ニッチは、オープンスペースになりますが、造作して扉付きの壁埋め込み収納を造ることもできます。ニッチと扉付きの両方を採用して、隠す収納と見せる収納の両方に対応できるようにすることも出来ます。

埋め込み収納の取り扱いは既製品にもあるので、収納したいものの量や好みのテイストに合うものであれば、造作するよりも費用を抑えたメーカー取り扱いのものから選ぶことも出来るかもしれません。

■背面ふかし壁収納

トイレ内の横幅が広い場合は、側面の壁に収納を設けることが出来ますが、横幅が狭いトイレの場合は、収納を設けることで圧迫感やごちゃごちゃした感じが出てしまいます。そのため、側面ではなく奥行を活用した収納を設けることがおすすめです。

そのひとつが背面ふかし壁収納です。便器の背面に横幅2/3ほどの幅で天井までの高さの壁をつくり、壁の背面を収納スペースにするという方法です。片側からだけ出し入れできるデザインが増えていますが、両端を開けることで収納量がアップします。ふかし壁を造るため、実際にはトイレの奥行が狭くなってしまいますが、見た目としては、段差が出来て奥行き感が出ますし、収納側に間接照明を入れることで、オシャレになりながら収納もしっかり確保することが可能です。

ただし、便器より奥になるので、手が届かず出し入れのし辛さを感じたり、掃除がし辛かったりするので、動作確認をしておくことは重要です。

■背面腰壁収納

背面ふかし壁が天井までの高さがある壁に対し、腰までの壁にする背面腰壁収納であれば、圧迫感を軽減できます。また、背面に窓があって物理的にふかし壁を造ることが出来ないトイレなどに人気です。腰壁の笠木部分にトイレットペーパーや芳香剤などを飾り見せる収納をすることも出来ますし、腰壁内を空洞にして中に隠す収納が出来るようにすることも出来ます。収納するものに合わせて腰壁の厚みを変えることが出来ますが、奥行きを取りすぎるとトイレ内の空間を圧迫してしまうことになるので注意が必要です。

腰壁部分だけのクロスをアクセントクロスに変えてオシャレにコーディネートすることも出来ます。

3. まとめ

トイレ内をオシャレにしつつも十分な収納を確保することは、使い勝手の良い空間にするうえで大切です。トイレ内の収納スペースを考える際には、何をどれだけ、どこに、どのように収納したいのか、より具体的に書き出して、必要なスペースを把握しておきましょう。そのうえで、便器や紙巻器などの設備機器やアクセサリーなどから、必要度の優先順位が高いものを順番にレイアウトしていきましょう。また、オシャレに収納を確保する方法として、ニッチ収納や壁埋め込み造作収納、背面ふかし壁収納、背面腰壁収納などがあります。

収納量や使い勝手、トイレの広さと比較しながら、暮らしやテイストに合った収納方法を採用しましょう。

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