新築であってもリノベーションであっても、大抵の人は家づくりの専門家ではないので、何から始めればいいのか、どうすれば快適な家にすることが出来るのか、分からないことばかりです。その中で、最近はSNSやWebサイトを使って情報を集めることが出来ることに心強さを感じている方は少なくありません。しかし、一方でSNSに振り回されていると感じている方もいらっしゃいます。
SNSやWebサイトを家づくりのために活用するのは危険なのでしょうか?新築でもリノベーションでも、多くの方がSNSを活用することで、どんな問題を経験してきたのか、上手に活用するために意識しておきたいポイントと共にご紹介したいと思います。
1.SNSに振り回されて家づくりが迷宮入りに!?
本来便利なはずのSNSを活用しての情報集めですが、上手に使わなければ、家づくりのプランニングの時点で迷宮入りになってしまいます。SNSを活用したどんな落とし穴があるのか、後悔例をご紹介したいと思います。
■自分に合った家が分からなくなる!?
家の情報が溢れていて、情報収集をしているうちに、どれも良く見えてしまうことがあります。家づくりで良かったと言われる間取りや、オシャレに見えるデザインを取り入れているうちに、自分の理想の家を見失ってしまったという失敗例は少なくありません。
例えば、子育てがしやすい家を目指していたのに、オシャレさを求めて子供のいない夫婦の家を参考にしてしまい、子供の物が溢れかえる片付かない家になったり、料理が苦手なのにキッチンを重視した間取りにしてしまったり、自分や自分の家族に当てはまらない情報を参考にしてしまい失敗したというケースは多くあります。中には、新しい情報がどれも良く感じてしまい、打ち合わせの度にプラン変更をお願いして、一行に話が進まないという方もいらっしゃいます。時間をかけて検討することは大切ですが、不必要な情報に振り回されてしまい疲れ切ってしまうのは問題です。
SNSを参考に良いものを真似する、取り入れること自体は悪いことではありませんが、理想や優先順位を見失ってしまうと、自分の家族構成やライフスタイルと全く合わない家になってしまい、暮らしづらい家を作ってしまうことになりかねません。
■担当者に不信感を抱いてしまう!?
家づくりの知識がないため、SNSやWebサイトを活用しようと思ったにも関わらず、様々な情報で頭でっかちになってしまい、何が正しいか分からなくなってしまったという方も少なくありません。
誰しも家づくりに失敗したくない、後悔したくないという思うため、よく調べ、適切な決定をしていくことは大切ですし、商品やプラン数など選択肢を広げるという点でもSNSを活用することは役立ちます。しかし、SNSの情報が『絶対に正しい』と思ってしまうと危険なこともあります。中には、依頼した会社のプランや説明が間違っているように思えて不信感を抱き、コミュニケーションが円滑に進まなくなるということもあります。
リノベーションの場合は特に、既存の家の構造や間取りによって出来ることが限られているということもあります。建築基準法や環境に左右されることもあり、他の家にできたから、我が家にもできるということはありません。また反対に、SNSで発信しているお宅ではデメリットになっていることが、ライフスタイルや家族構成によってはメリットになることもあります。
そのため、SNSの情報が絶対に正しいと思わないこと、家づくりのプロの意見にも耳を傾け、我が家には何が当てはまるのかを比較しながら判断していくことが重要です。
2.SNSを上手に活用して家づくりに生かす方法
SNSを活用することが家づくりにおいて必ずしも失敗を招くわけではありません。むしろ上手に活用して良かったというケースも多くあります。どのように上手に活用すると良いのか、ご説明したいと思います。
■好みのテイストを絞り込むために活用する
オシャレな家にしたい、と思っていても自分の好みが分からない、漠然としているという方は少なくありません。その点で、好みのテイストや暮らしたい家の理想を絞り込むためにSNSを活用することは役立ちます。
例えば、まず、『戸建て オシャレ 外観』や『マンション オシャレ LDK』などで検索してみましょう。そして自分がオシャレだと思ったり、好きだと思ったりしたデザインの家の写真をできるだけ沢山集めます。そうすると、どんなテイストに自分がときめくのか、どんな色が落ち着くのか絞り込めます。一緒に暮らす家族やパートナーにも同じように好みの画像を集めてもらいましょう。それぞれが集めた写真を持ち寄って一緒に確認しながら話し合うことで、互いの理想や好みが分かるだけではなく、好みが違っても似ている部分や譲歩できる部分を確認し合うことができ、方向性を決めやすくなります。
ある程度、テイストの方向性や好みが決まったのであれば、『戸建て 外観 モダン』とか、『マンション LDK 北欧風』など、絞り込んだテイストで検索をすることで、より具体的なデザインや活用できる建材や商品の情報も集めやすくなります。
■メリットとデメリットを調査する
ネットでは、比較的容易にメリットとデメリットの両方の意見を集めることが出来るという利点があります。それで、情報を集める際には、メリットだけではなく、デメリットも調査するようにしましょう。反対に、デメリットだと言われていることも、我が家にはメリットにならないか、両方の面を比較することが大切です。
例えば、キッチンの仕様を決める場合を考えてみましましょう。壁付けキッチンや対面キッチン、アイランドキッチンなど、それぞれの仕様を取り入れることで、メリットとデメリットとなることを仕様別に箇条書きしていきます。その際には、誰かのメリット&デメリットではなく、我が家の条件を書きだすことが大切です。そして、メリットの中で最も良いと思うこと、譲れない部分などの順位を決めます。反対にデメリットに関しても、ここは絶対に嫌だと思う順位を決めます。そうすることで、その仕様を含めキッチンに求めることの優先順位が見えてきます。また、デメリットと感じる部分でも下位の内容は間取りやオプションなどで改善できることに気付けるかもしれません。
オシャレだと思った家や、説明が分かりやすく発信している人のライフスタイルに憧れていたりすると、その情報が全て良いように感じてしまうかもしれません。しかし、我が家のメリットとデメリットを考えるツールとしてSNSを活用することで、暮らしに合った家づくりを行う助けになります。
3. まとめ
家づくりの情報がSNSやWebサイトに溢れているため、助けになる一方で後悔を招くこともあります。上手に活用しなければ、自分とは家族構成やライフスタイルが違う人の家を参考にしてしまい理想の家が分からなくなってしまったり、SNSの情報が正しいと信じすぎて家づくりのプロの意見に不信感を抱いたり、自分の家の構造や間取りに合わない家づくりをしてしまったりするかもしれません。SNSは好みのテイストや理想の暮らしを見つけ、方向性を絞り込むために活用したり、我が家にとってのメリットとデメリットの情報を調査するために活用したりすることで、暮らしにあった家づくりを行えます。
SNSやWebサイトなどの便利なツールを賢く使って、暮らしやすい自分にピッタリの家を手に入れましょう。