家を建てたり、探したり、リノベーションをしたりする際に、自分にとって快適か、住みやすいかという点は最も重要です。加えて、資産価値の高さを意識することも重要です。しかし、家の資産価値は、自分好みの、自分にとって住みやすい家、という個人的な価値とは基準が違う場合も少なくありません。
なぜ、資産価値が高い家を意識することが重要なのでしょうか?ここでは、一般的に資産価値が高いと言われる家の特徴や、資産価値が高い家を選んだり、今住んでいる家の資産価値を上げたりするうえで意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。
1. 資産価値が高い家にする利点とは?
そもそも資産価値が高い家とは、どのような家を指すのでしょうか?資産価値が高いと、具体的に何が良いのか、という点と共にご説明したいと思います。
■資産価値が高い家とは?
一般的に家の資産価値を示すのは、固定資産税評価額で、これは『建物の価格』と『土地の価格』で決まります。
建物の価格に影響するのは、長く住める家かどうかという点です。耐用年数が長く、自然素材のように経年変化が楽しめて長く使用できる素材や、丈夫で実用性が高い設備機器が使われている家があてはまります。ただし、内装材などの建材や設備機器は基本的にはリフォームなどで変更できるものなので、資産価値という点では、建物の構造など変更しづらい部分、日当たりや風通しが良い家、耐震性や断熱性が高い家が、さらに物件の価値が高い家と言えます。
マンションなどの集合住宅であれば、各家だけではなく、建物全体の管理状態も建物の価値に影響する大事な部分です。管理がずさんな建物は老朽化が早く進んでしまうからです。共有スペースの管理が行き届いており、ポスト周りやゴミ捨て場などの掃除が行われてキレイかどうか、定期的なメンテナンスや大規模修繕が行われてきたかが重要です。
さらに、新築や築浅物件も購入時は資産価値が高い家になりますが、この点は年数が経てばたつほど必然的に価値が下がっていく部分となります。ただし、築25年以上になると価格の減少は少なくなる傾向にあります。
また、土地の価格が高い家の特徴としては、学校や病院といった教育や医療が整っている地域、スーパーや商店街、ショッピングモールなどの生活に便利な環境が整っている地域が当てはまります。さらに、駅やバス停が近くて交通の便が良かったり、治安が良かったりする地域も、土地の価格が下がりにくく、資産価値の高い環境条件に当てはまります。近年、災害も増えているので、災害リスクが低い地域かどうかという点も今後重要になってくる可能性があります。
■資産価値が高いと何がいいの?
資産価値が高い家は、立地環境が良く、建物内外共に建材や設備機器などの質が良くて長く住めるので、そこに住む人にとっても生活がしやすく快適な家になります。幅広い年齢層に人気のエリアであれば、いくつになっても快適に住める証拠でもあり、年齢に応じて引っ越す必要がないかもしれません。
また、資産価値が高い家を担保にすることで、金融機関からの信用性も高まることが期待できるので、金利や返済期間の点で柔軟な対応をしてくれることもあり、住宅ローンでの効果が期待できます。
間取りや仕様といった細かな部分は、住む人によって快適さが異なりますが、建物の価値や土地の価値といった住まいのベースとなる部分が良い、資産価値の高い家を出来るだけお得に探したり、建てたりできれば、自分好みのデザインや仕様を少しプラスするだけで、さらに快適により良い住まいになるので、自分にとっての資産価値もさらに上げることが可能です。
また、将来ライフスタイルの変化に伴って家を売りたいという場合には、高値で売りやすくなりますし、賃貸にする場合も、条件が良いので借り手が見つかりやすいというメリットもあります。一生住み続ける家にする場合であっても、転職や病気といった様々なライフスタイルの変化、災害など予期せぬ出来事が生じた際の、備えや保険としても資産価値が高い家は安心です。
2.資産価値が高い家にするためには?
自分の住まいを資産価値の高い家にするために、具体的にどんな点を意識して家探しや住まいづくりをすれば良いのでしょうか?ポイントをご紹介したいと思います。
■自分では変えられない部分を意識する!
住み始めて自分では変えることが出来ない部分を物件探しや家を建てる土地探しの際には意識しておくことが重要です。
一番重要な部分は立地です。家の周りの環境をしっかりと確認しておきましょう。今後都市開発や道路の整備地域に入っていないかを確認したり、スーパーや商店街の有無だけではなく、普段閉まっていないか、お客さんの入りはどうかを調べたり、公園の安全性などを確認して、今後も立地状況の良さが変わりにくい地域かを判断しておくとことは、資産価値が下がらない安定した家を選ぶうえで役に立ちます。
また、中古物件やマンションなどは、建物が建っている環境は良くても、部屋の位置や家の向きによって、周りの建物で日当たりや風通しが悪くなっていたり、騒音がうるさかったりする場合もあります。間取りを変えても解決できない場合もあるので、地域性の良さだけではなく、地域と建物の両面から確認することが重要です。
■築古物件はリノベーションで付加的価値をプラス
築古物件は、築浅物件に比べると資産価値が下がります。しかし、リノベーションによって付加的価値をプラスすることで、資産価値を上げることが可能です。
資産価値を高めることを意識するのであれば、ただ現状のものを新しくキレイに交換するリフォームではなく、質の良いもの、耐用年数が長い素材や設備機器を選ぶことや、省エネ効果のある設備を活用すること、経年変化を楽しめる自然素材を活用することなど、付加的価値をつけるリノベーションを行うようにしましょう。
さらに、間取りを実用的で自由度の高いものにすることも重要です。年齢や性別、職業など用途や使用する人が限られてしまうような部屋のサイズやカタチにするのではなく、自由にアレンジできるようにしたり、間仕切り壁を出来るだけ減らしたり、可動式にしたりすることで、幅広い年齢層やライフスタイルの人にも合わせやすい間取りになります。そうしておくことは、自分にとってもライフスタイルや住む人の人数の変化に対応できて長く住める家になって便利です。
3. まとめ
家を新築したり、中古物件を探したりする際には、自分にとって暮らしやすいかどうかという点に加えて、資産価値が高い家かどうかを意識することは重要です。資産価値が高い家は、長く住んでいくうえで欠かせない、質の良い素材や実用的な設備機器が使われていたり、耐震性や省エネ性が高かったり、管理やメンテナンスが行き届いています。また、教育や医療、交通や買い物などの生活の便が良く、日当たりや風通しが良いなど立地状況も良いので、快適に暮らせます。資産価値が高い家にしておくことで、将来家を手放す時も高値で売却出来るなど、万が一の備えとしても保険となって安心です。
自分では変えることの出来ない要素を意識したり、中古物件の場合はリノベーションを行ったりして、資産価値の高い家、自分にとっても価値ある家づくりを行いましょう。