新築でも、リノベーションでもリビング内に小上がりスペースを作ることが人気になっています。小上がりがある家はオシャレ、というデザイン性だけではなく、暮らしを快適に便利にするという点でも取り入れる価値があります。
リビング内に小上がりを設けることで暮らしがどのように快適になるのでしょうか?より便利に使える小上がりを作るポイントとともにご紹介したいと思います。
1.リビング内の小上がりが便利!
人気となっているリビング内の小上がりは、どのように使われていて、何が良いのでしょうか?またフラットなスペースではなく、あえて小上がりにすることにどんな良さがあるのかについても、ご説明したいと思います。
■リビング内に小上がりがあるメリット
●アクセントになる・・・小上がりスペースの床や壁材をLDKと変えることで、リビング内にアクセントを設けることが出来てオシャレになります。クロスの色や柄を変えるだけではなく、和空間や趣味空間にするなど、テイストを大きく変えて楽しむことも出来ます。リビングと繋がっていることで、奥行き感が出てリビングを広く見せる効果もあります。
●プラスひと部屋として使える・・・客間としてひと部屋とるほどの広さが無くても、リビング内の一角に小上がりスペースを作り、あえて扉を設けず、ロールスクリーンなどを使って緩く区切ることで、普段は広くオープンに使い、来客時は客間として招いたり、泊まってもらったりすることが出来ます。また、キッズスペースやワークスペースとして使ううえでも人気です。LDK外にある子ども部屋では、子どもが遊んでいる様子や勉強している様子が見えませんが、リビング内に設けることで、家事をしながら子どもの様子が見えて安心です。空間として緩く区切ることが出来るので、おもちゃがリビング内に広がるのも防げます。
■フラットなスペースではなく小上がりが良い理由とは?
中には、小上がりにせずにフラットな畳スペースでも良いのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、あえて小上がりにすることによって、下記のようなメリットがあります。
●床下を収納として使える・・・2~3畳ほどの比較的狭い空間でも、小上がりの床下スペースを全面収納にすれば大容量収納になります。LDK内で使う季節モノや客間グッズなど普段使わないものの、必要なものを収納出来て便利です。
●ホコリが入りにくい・・・段が出来ることで、リビング内の砂埃が小上がりの床に入りにくいというメリットがあります。そのため、短時間の昼寝や、赤ちゃんを寝かせたり、乾いた洗濯物を床に広げて畳んだりするうえで使い勝手の良い清潔な空間として人気です。
●LDK内の家族と目線が合いやすい・・・キッチンで立って調理をする家族やダイニングのイスに座っている家族、リビングのソファーに座っている家族とは、フラットな床に座ると低くなってしまい目線が合いません。しかし、小上がりにすることで、イスやソファーに腰掛けた高さになるので、目線が合い会話がしやすくなります。調理中でも子どもが遊んでいる様子が見えやすいという点もメリットです。
●イス代わりに使える・・・小上がりのフチに腰を掛けられるので、イスのように使うことが出来ます。リビングテーブルの近くに小上がりを設けて、ソファー代わりに使ったり、キッチンカウンターの前に小上がりを設けてカウンターチェアのように使ったり出来ます。間取りや広さによっては、イスを購入する必要がないうえに、大人数が腰を掛けられるので便利です。
2.小上がりの良さを最大限に活かす作り方のポイント
使い勝手の良い小上がりスペースにするためには、ただスペースを確保する以上のことが関係しています。どんな点を意識して作ると良いのか、ご紹介したいと思います。
■畳ではなくてもOK!
リビング内の小上がりの床は、畳にするのが主流になっていますが、畳にこだわる必要はないかもしれません。和室がない家は、小上がりだけでも和の空間を作ったり、床材の違いによってアクセントを付けたりすることが出来るかもしれません。しかし、四角形がベースの畳では、小上がりスペースの広さやカタチに合わせて、畳の配置バランスを考える必要があり、場合によっては狭さを強調してしまうこともあります。
その点で、小上がりの床を板張りのフローリング材にしておけば、用途や気分に合わせて床材を自由に変えやすいというメリットがあります。広さや、曲線などのカタチにも対応できるので、自由度が広がります。
和の雰囲気にしたいのであれば、半畳サイズの置き畳を組み合わせておくことや、ゴザを敷くことが出来ます。洋風にしたいのであれば、木フローリング以外にも絨毯を敷いたり、キッズスペースにするためにクッションタイルを敷き詰めたりすることも出来て、アレンジがしやすくなります。
■理想の高さを考える
小上がりを作るうえで重要なのが、高さをどうするのかという点です。一般的に10~40㎝内の小上がりが多いですが、高さを決めるにあたっては、用途と見え方を意識するようにしましょう。
例えば、床下に収納を設けるのであれば、30㎝以上にして出来るだけ高くすることで大容量収納が作れます。しかし、高すぎると小上がり用のステップ階段が必要となりリビングの邪魔になるかもしれませんし、天井が低くなって圧迫感が出てしまうかもしれないので注意が必要です。また30㎝以上あれば、腰を掛けやすい高さになりますが、子ども達が転倒すると危険な高さでもあるので、家族の年齢層や用途の検討も大事です。
反対に、収納が必要のない方は出来るだけ低くすることで、上り下りがラクにはなりますが、10㎝程の低い小上がりにしてしまうと高さを認識しづらくつまずきやすくなってしまう危険性があります。
収納はとれないものの、天井やリビングへの圧迫感が少なく、子どもが腰掛けるとちょうど良い高さとして20㎝程の小上がりも人気です。
LDKの天井の高さや家具の種類、レイアウトによってもバランスの良い見え方が変わります。出来るだけ小上がりのある家の施工例を見たりショールームを訪れたりして、上り下りして動作と見た目を確認することや、検討する高さの小上がりを比較できるように3Dパースを作ってもらうなどして、高さを確認してみましょう。
3. まとめ
リビング内に小上がりを作ることは見た目のオシャレさだけではなく、暮らしを快適にするうえでも人気です。フラットな畳スペースではなく、あえて小上がりにすることで、床下を収納として使えたり、砂埃が入り辛いので清潔で、昼寝やキッズスペース、洗濯物を畳むスペースとして使えたり、イス代わりに使えたり、目線の高さが合いやすいので家族との会話が弾みやすくなったりします。小上がりを設ける際には、用途やテイスト、広さや天井の高さを意識して、どんな床材を使うか、小上がりの高さをどれぐらいにするのかを決めることで、より使いやすい小上がりスペースになります。
オシャレで使いやすい小上がりをリビング内に設けるのはいかがでしょうか?