近年、梅雨や夏の時期の異常気象によって、大雨や台風による被害が出ています。自然相手なので、いつどこで被災するか分かりませんが、家は天気に合わせて移動できないため、直撃して大きな被害を受けることもあります。また、それほど問題がないように思えても、度重なる自然災害で徐々にダメージを受けていることもあり得ます。

家族と家を守り、長く暮らしていくために、大雨や台風に備えてチェックすべき箇所、また自然災害後にもチェックしておくべき箇所、さらには、焦らずに対処するための方法をご紹介したいと思います。

1.自然災害に備えるだけではなくアフターフォローも大事

家のどこをチェックして自然災害に備えることが出来るのか、また一見大丈夫に思えてもチェックしておきたい災害後のチェックポイントもご紹介したいと思います。

■大雨・台風前のチェックポイント

●外壁の状態・・・劣化具合を日ごろから把握しておきましょう。大雨や台風以外にも地震の影響などを受けている可能性があります。ひび割れや隙間が既に生じていれば大雨や台風時に雨漏りが起きてしまうかもしれないので、台風前に修繕や外壁塗装を行っておきましょう。

屋根の状態・・・瓦のズレや破損があれば、雨漏りの原因になってしまいますし、瓦が落ちて二次災害を招く危険性もあるのでチェックしておきましょう。金属屋根の場合は、板金が留まっているかの確認も大切です。見えない部分は、自分で屋根に上ろうとはせずに、プロに定期的に点検をしてもらうと安心です。

●雨樋の状態・・・雨樋がしっかり外壁に留まっているか、破損部分がないかを確認しましょう。また、雨樋にゴミや落ち葉などが詰まっていると雨水が溢れてしまいます。外に流れてくれればまだ安心ですが、場合によっては外壁の同じ箇所がずっと強い流水に晒されたり、雨樋の取付け部分から屋根裏に雨水が入ったりして、雨漏りや腐食の原因になってしまいます。定期的に清掃をしておくことで詰まりを防げます。

窓や雨戸・シャッターの状態・・・窓や網戸の建付けが悪く、がたつきがないか、雨が隙間から入ってこないかを確認しておきましょう。また、飛来物からガラスを守る雨戸やシャッターがちゃんと開閉出来るかどうかの確認も大切です。

庭や玄関アプローチの状態・・・家の周りに強風で倒れたり飛ばされたりするものがないかを確認して、片付けておきましょう。特に窓周りのものには注意をしましょう。ガラスを割る危険がある庭木や植木鉢、物干し竿、自転車などが倒れる危険がないかを確認し、家の中に入れることが出来るものは、前もって入れておきましょう。また、すだれやオーニングなども突風で飛ばされたり、雨で痛みが早くなったりする可能性があるので、撤去しておくと安心です。大きくなりすぎている庭木や折れやすくなっている枝を剪定しておくことも大事です。

■大雨・台風後のチェックポイント

●飛来物の有無・・・まずは、庭やアプローチなど家の周りをまわって、飛来物がないかを確認しましょう。落ちている場所やモノによっては、外壁や屋根に影響している可能性があるので、意識してチェックできます。

外壁の状態・・・飛来物が当たって外壁にヒビが入っていないかを確認しましょう。また、外壁に雨水が染み込んだことによる膨らみがないかの確認も大切です。

屋根の状態・・・瓦のズレや破損がないかを確認しましょう。飛来物によって太陽光パネルが破損することもあります。発電量が災害前後で大きく変わっていないか、正常に作動しているかをチェックしましょう。

ベランダの下や軒下(屋根の下)の状態・・・ベランダや屋根の下に雨染みが出来ていると、雨水が染み込んでいる証拠です。災害直後ではなく数日後に出てくることもあるので、定期的にチェックしておきましょう。

室内の壁や天井・・・雨水が屋根裏や壁裏に染み込んでいると雨染みによる変色が見られます。屋根に近い2階の天井や、雨風の向きを確認して強く当たっていた壁部分などを特に意識してチェックしてみましょう。

※大雨や台風が収まり、警報や注意報が解除されて安全が確認されたうえで、上記の部分をチェックしましょう。

2.もしも家が被害にあっても焦らずに対処するには?

自然災害後に家に破損や問題があるのが見つかったなら、どうすべきなのでしょうか?事前に出来る準備と共にご紹介したいと思います。

■放置せずにすぐにリフォームを!

家に被害があることを発見したのであれば、すぐに修繕やリフォームを依頼してプロに工事を行ってもらいましょう。ブルーシートやテープを張るなどの応急処置は個人レベルで出来るかもしれませんが、だからと言って、大丈夫と放置しても、家にとって何も良いことはありません。家は常に劣化しているうえに、破損箇所が加わると、家の寿命を短くしてしまうだけです。目視できない屋根や外壁の高い部分、一見問題がないように見えるものの、心配な部分があるのであれば、早めにリフォーム会社に依頼してプロの目線でチェックしてもらいましょう。

すぐに依頼するためにも、金銭的な備えも大事です。火災保険が、風災補償や水災補償、落雷補償など、どこまでカバーしているかをチェックしておきましょう。また、定期的なメンテナンス費用や必要となるリフォーム費用に少しずつでもプラスして貯金しておくことで災害だけではなく、設備機器の急な故障などにも備えることが出来ます。さらに、使える補助金や助成金がないか、常にアンテナを張っておけば、急な災害時でも、活用できる補助制度を利用してお得にリフォームが行えるかもしれません。

■依頼するリフォーム会社を前もって決めておく!

災害後は被害に遭った家が増えるので、近隣のリフォーム会社が順番待ちになります。そんな恰好のタイングを狙って悪徳リフォーム業者が増えるので、注意が必要です。

訪問営業を行い、安く工事が出来ると言ってすぐに契約させ、上辺だけの工事で問題を解決せずに終わらせたり、契約後に手付金だけ払わせて、そのまま工事をせずにいなくなったりするような業者がいます。また、特に問題が無い場合でも、屋根に破損箇所が見えて、このままでは雨漏りが起こるとか、家が半壊する可能性があるなど恐怖を煽り、必要のない工事をさせようとする業者もいます。近隣で災害の被害があると特に不安になっているため、教えてくれた悪徳業者がむしろ親切にさえ感じるかもしれません。

しかし、どんなにすぐにリフォームすべきであっても、実績や技術力を知らない会社に安易に工事をお願いするのは危険です。そうならないためにも、マイホームドクターと言える、リフォーム会社を事前に決めておきましょう。

災害の被害に遭うかどうかに関わりなく、建物には定期的なメンテナンスやリフォームが必要となります。普段から、屋根や外壁塗装、サッシのリフォームなどを頼む会社の評判を確認して選別しておくことや、どんな塗料や色、工事方法が自分の家に適しているのか、好みの方法を行える会社なのか、などを調べておけば、災害時にも焦らずに、前もって決めていた会社に依頼出来ます。その地域や使う素材のリフォーム費用の相場なども調べておけば、無駄な出費を防ぐことも出来ます。

事前に依頼する会社を決めておくことで、悪徳リフォーム業者の急な飛込み営業にも、冷静に対応出来て安心です。大雨や台風前後に家をチェックしてもらったり、定期的なメンテナンスをしてもらったりするように依頼しておけば、災害後に依頼者が増えても早めの対応を期待できます。

3. まとめ

近年頻繁に起きる大雨や台風といった自然災害に備えて、家を事前にチェックしておくことは大切です。普段から外壁や屋根の劣化状態を把握して、定期的に屋根・外壁塗装を行って雨漏りを防ぎましょう。また、雨樋がしっかり留まっていて詰まっていないか、窓や雨戸、シャッターにがたつきがないかをチェックすること、庭や窓近くで倒れると危険なものを片づけたり、庭木を剪定したりすることで備えが出来ます。また、大雨や台風が去った後には、被害を受けていないかをチェックして、問題が見つかったのであれば、すぐにリフォーム会社に修繕を依頼して放置しないようにしましょう。迅速にかつ冷静に対応出来るように、火災保険の内容を把握しておくことや、どの会社に依頼するか、リフォーム会社や工事内容、相場を調べておくことは重要です。

家族や暮らしを守るために、突発的な災害に日ごろから備えて、家を安全な場所にしておきましょう。

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