冬の季節は、洗濯物が乾き辛いため室内干しになっていましたが、春になり暖かい日が続くようになるので、やっと日光のもとで洗濯物を干せる、と思っておられる方は多いかもしれません。しかし、花粉や黄砂などのアレルギーを持っている方は、出来るだけアレルギー物質が家や持ち物に付かないように意識して、洗濯物を外干ししないようにしておられる方は少なくありません。さらに、春が過ぎると梅雨になるので、そのまま室内干しの日が続くかもしれません。そのため、最近は天気や季節に関係なく室内干しが標準という方が増えています。共働きで帰宅が遅い方や家族が多く洗濯物の量が多いという方も防犯面を考え室内干しが増えています。
しかし、外干しが基本の日本の家の間取りでは、室内干しが出来るスペースがないために、室内が洗濯物に占領されたようになったり、乾くのに時間がかかるために毎日洗濯物を見ている、洗濯に追われていると感じたりしている方は少なくありません。洗濯物問題がいっそう深刻になる、花粉や黄砂、梅雨の時期に備えて、どんな家にしておくと良いのでしょうか?ポイントをご紹介したいと思います。
1.室内干し出来るスペースを作る
洗濯物で室内が占領されないためには、室内干しが出来る場所を確保することが重要です。どのように室内干しが出来るスペースを作れば良いのか、ポイントをご紹介したいと思います。
■洗濯専用の空間ランドリールームで室内干し
室内干しスペースを確保するうえで、洗濯専用の部屋、ランドリールームを設ける方が増えています。洗濯物が出る脱衣所近くに、ランドリールーム作り、洗濯機や室内干し用のランドリーパイプ、クローゼットなどを設け、洗濯→干す→片づけるまでの洗濯に関わる一連の流れを全てランドリールーム内で完結できるようにすることで、家事もラクに行えます。
ランドリールームを設ける場合、雨の日や花粉の時期だけなど限定的に室内干しを行いたいのであれば、2畳ほどのスペースでも充分かもしれませんが、天気や季節に関係なく室内干しを行う方であれば、3畳以上の空間を確保して余裕をもって洗濯物を干せるようにする方が、乾きやすく、作業もしやすくなります。
■室内でも自然エネルギーを活用する
アレルギー物質を取り込まないように外に干さない場合や、窓を開けない場合でも、出来るだけ自然エネルギーを活用することは洗濯物を乾かすうえで効率的です。
例えば、太陽光が洗濯物に当たるような間取りにすることで、洗濯物の乾きを良くすることが出来ます。窓際にインナーテラスや土間空間を設けてランドリーパイプを設置しておけば、花粉や黄砂の時期は室内干し専用のスペースとして、アレルギーが出ない時期になれば外干しして、その空間はアウトドアリビングや植物を飾る空間として使えるかもしれません。ランドリーパイプを活用して観葉植物を吊るす、ハンキングを楽しむことも出来ます。日当たりが良い環境なので植物を育てるうえでも良い場所となります。
また、調湿効果がある塗り壁やタイルなどの自然素材で内装を仕上げることで、部屋干しによって室内の湿度が高まり、ジメジメしてしまうという問題を防ぎ、室内を快適な温度や湿度に保ちやすくなります。また、梅雨時期のカビや、冬の結露を防いだり、室内干し特有の衣類臭を脱臭したりするうえでも効果的です。
2.洗濯物に追われないための住宅設備機器を活用する!
洗濯物をラクに、できるだけ時間をかけずに行うために、住宅設備機器を活用するという方法もあります。活用することで洗濯物に追われなくなった、と特に人気の設備機器をご紹介したいと思います。
■浴室換気乾燥暖房機で家事をラクに!
浴室に換気扇ではなく、浴室換気乾燥暖房機を設置することで、浴室内に衣類を干せるので乾かしやすくなったという方は少なくありません。浴室換気乾燥暖房機には、浴室内の換気・乾燥機能や暖房機能に加え衣類乾燥機能が付いています。洗濯物を干すことを前提に導入するのであれば、衣類脱臭機能付きやカビ抑制機能付きのタイプを検討することも出来るかもしれません。
しかし、浴室内に洗濯物を干すことになるので、スペースが限られること、お風呂を利用する間は洗濯物を干す場所が無くなるというデメリットもあります。洗濯とお風呂の時間帯や洗濯物の量を確認したうえで採用するかどうかを検討しましょう。浴室タイプではなく、脱衣室タイプのものや、ランドリールームに設置した方が良い場合もあります。また、工事が伴う固定式ではなく、置き型タイプでコンセントを繋ぐ、家電として導入する方が価格が安く、移動出来て使い勝手が良い場合もあるので、価格や使用頻度を考えたうえで設置しましょう。
■ガス衣類乾燥機でお洗濯をスピーディーに!
運動や部活をしている子供たちがいる家庭では、頻繁に洗濯の必要があるうえに、次の日もユニフォームが必要となるため、とにかくスピーディーに乾かしたいというお宅は少なくありません。乾燥機付きの洗濯機を使うことも出来ますが、時間がかかるわりには、乾きが悪かったり、次の洗濯が行えなかったりして不便さを感じている方も多くいます。だからといって毎回コインランドリーを利用するのは経済的ではありません。
そのような方の間で人気なのが、ガス衣類乾燥機です。特に有名なのが、リンナイが出している『乾太くん』です。ガス衣類乾燥機は5㎏の洗濯物を1時間程で乾かすことが出来るため、全自動洗濯機の約1/3の時間で、何度も洗濯を行うことも可能です。乾燥中に次の洗濯物の洗濯を行うこともでき、家事の時短が出来ます。
ただし、都市ガスやプロパンガスが必要で、専用のガス栓や排湿用の穴を設ける必要があるため、マンションには制約条件があり設置できない場合もあり注意が必要です。また洗濯機に加え、ガス衣類乾燥機の設置スペースとして幅60㎝以上は必要となるため、1坪以上のスペースが必要となります。
コインランドリーと比較するとお得に乾燥できるとはいえ、ガス代や電気代がかかるので、ガス衣類乾燥機を導入すべきか、部屋干しスペースを作るだけで充分なのか、ライフスタイルに合った方法を検討しましょう。
3. まとめ
花粉や黄砂、梅雨時期には洗濯物が室内干しになる方や、普段から室内干しをしているという方の中には、洗濯物に室内が占領されたり、洗濯に追われていると感じたりしている方が少なくありません。そうならないために、室内干し専用のランドリールームを設けたり、自然エネルギーを活用して洗濯物を効率的に乾かせるように日当たりの良い場所にインナーテラスを設けたりすることが役立ちます。また、自然素材の内装材を使用することで、室内干しによる部屋のジメジメや嫌な衣類臭を防ぐことも出来ます。さらに、洗濯をラクに時短するために、浴室換気乾燥暖房機やガス衣類乾燥機を活用することも出来るかもしれません。
花粉や黄砂、梅雨の時期でも、洗濯物に家を占領されずに快適に暮らせるように備えましょう。