階数のある戸建てに住んでおられる方やメゾネットマンションに住んでおられる方は、フロアを上がり降りするための階段は欠かせません。家の造り的に必要な階段ですが、存在感を放つだけに、階段のデザインも重要になってきます。階段の場所やデザインによって、その部屋のインテリアが左右されると言っても過言ではないほどです。

おしゃれな部屋にするためには、どんな階段のデザインを選ぶと良いのでしょうか?階段のデザインごとのメリットとデメリット、リノベーション時のポイントについてご説明したいと思います。

1.階段のデザインでコーディネートが見違える!

どんな階段にするかを考える前に、どんなデザインの階段があるのかを知っておきましょう。一般的に使われる3つのデザインとそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

階段下を活用できる『箱型階段』

踏み面部分と蹴込み部分の全てが板で覆われている階段を箱型階段と言います。階段のデザインの中では、最もポピュラーで安価に作ることが出来ます。壁に覆われているため、手すりの設置がしやすく、壁に手を付きながら上り下り出来る安心さもあります。

さらに、階段によって上下の空間が分断されるので、階段下を活用できるというメリットがあります。階段下を収納やトイレ、最近はリモートスペースとして活用するケースが増えています。しかし、階段下の見栄えや使い勝手を優先させるのであれば、高さ制限があって、暗さや圧迫感が出てしまうため、用途が限られてしまうというデメリットがあります。また、階段部分は荷物の運び入れがし辛いというデメリットもあります。

階段の見栄えという点では、箱型になっているため、幅が広くなければ圧迫感があります。

おしゃれな階段と言えば『オープン階段』

おしゃれな階段として人気なのが、蹴込み部分に板が無いオープン階段です。スケルトン階段やストリップ階段とも言われます。視界を遮るものが無いため、スッキリと開放的な雰囲気の階段になります。廊下が狭い場合や、リビングに階段を設ける場合などは、オープン階段を使うことで、部屋を分断したり、暗くなったりせずにすみます。壁のない部分、部屋の中央にも配置することが出来て、場所を選びません。吹き抜けになっているメゾネットマンションや各フロアがコンパクトな3階建ての狭小住宅などで、特に人気です。

しかし、箱型階段に比べて価格は高くなりますし、蹴込み部分が無いことから、小さなお子さんや体の小さなペットにとっては、足がすり抜けてしまわないか、視覚的にも不安な階段になってしまうかもしれません。物を直接落下させてしまう危険もあります。

また、リビングなど多数の人がいる環境では、オープン階段での上り下りで足元が目に入るのが気になる、見られるのが嫌、と感じる方もいらっしゃいます。階段そのものの見た目は良いものの、活用の際の見た目が気になるかもしれません。

いいとこどりな『ひな壇式階段』

階段の片面だけをオープンにした、箱型階段とオープン階段のいいとこどりとも言えるのが、ひな壇式階段です。オープンになる面は階段上部片面だけなので、開放感がありながらも、階段下は箱型階段のように収納として使うことが出来ます。

ひな壇式階段では、片面の全面だけでなく、初めの数段だけオープンにする場合もあります。プライベート空間を隠しつつも、開放的に見せたい玄関ホールやリビング階段などで活用されるデザインです。

箱型階段よりは費用が高くなりますが、オープン階段よりも安く抑えられます。

2.リノベーションで階段のデザインを考える時のポイント

おしゃれな階段にしたいと思うのであれば、リフォームやリノベーションの際に、どんな点にこだわれるでしょうか?

オープン階段にも種類がある!

おしゃれな階段であるオープン階段でも、見せ方、デザインは様々です。

例えば、踏み面の板をどのように支えるかによって見た目のデザインが変わります。踏板の下から支える力桁という方法であれば、踏板が見えて空間に動きが出ます。踏板の横から支える側桁という方法の場合は、踏板の側面は桁で隠れるので、直線が際立つシャープな雰囲気になります。側桁も真っすぐなデザインだけではなく、階段に合わせて段々になっているものもあります。壁に直接埋め込んで、踏み面が浮いているようなデザインにすることも可能です。また、素材もスチールやアルミ、木など様々で、部屋のインテリアに徹底して合わせることが出来ます。

階段のデザインは平面では分かり辛い部分です。カタログや施工例、メーカーのショールーム、3Dパースなど立体的に確認出来るものを活用して、どんなデザインで、インテリアにどのように影響するかをしっかり確認しておきましょう。

費用を抑えつつ素材や色でもおしゃれな階段になる!

オープン階段のようにおしゃれにしたいものの、上り下りに不安を感じたり、費用を出来るだけ抑えたりと思っていたりする方は、箱型階段を選ぶことになる、と感じるかもしれません。オープン階段に比べデザイン性が低いと感じるかもしれませんが、箱型階段でも充分おしゃれにすることが出来ます。建材メーカーでセットになっているものを使うのではなく、デザイン性にこだわって、素材から選んだり、部分的にオリジナル性を出したりしてみましょう。

壁や面が多い、箱型階段はある意味、素材や色の選択肢が多いというメリットがあります。階段の全てを同じ素材にするのではなく、踏み面部分だけを無垢材にして蹴込み部分を白の塗り壁にすると、北欧風な暖かで明るい雰囲気に仕上がります。大理石調のパネルやフロアで階段内を統一して、手すりに赤や黄色などの原色を取り入れて、モダンな雰囲気にすることも出来ます。

素材や色にこだわるのであれば、間取りを変えて、階段の位置を変えるようなリノベーションではなくても、今の階段をリフォームするにあたって、踏み面だけ色を変えたり、デザイン性のある手すりを取り付けたりするだけでもおしゃれな階段に生まれ変えることが可能です。

3. まとめ

階段は、上り下りするための通路としてだけでなく、部屋にアクセントを付けたり、デザイン性を高めたりするのに重要な役割を果たしてくれます。特に、デザイン性が高く開放的なオープン階段は人気です。費用を抑えるのであれば、ひな壇式階段や、箱型階段にして、素材や色によってインテリアコーディネートを楽しむことも出来ます。

2・3階建ての家には欠かせない階段を活用して、おしゃれなインテリアの家にリノベーションしましょう。

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