共働きのお宅や、定年を迎え家で共に過ごす時間が長くなったご夫婦に加え、コロナ禍でリモートワークが増え、家にいる時間が長くなった方のなかには、この機会に家族で家事シェアをしていこう!と意気込んだ方は多いのではないでしょうか?しかし、やる気のわりには続かない、思ったように効率よく家事が出来ないと感じている方は少なくありません。
案外、その原因のひとつは家の間取りや設備にあるかもしれません。リノベーションの際に家事シェアしやすい家を意識することで解決できることがあります。どんな点を意識できるでしょうか?
1.充実した時間をもつための方法
そもそも、家事シェアとは何でしょうか?なぜリノベーションと関係しているのでしょうか?
家事シェアって何?
家事シェアとは、何か役割決めをして行う家事ではなく、夫婦や家族が互いに積極的に家事を行うことです。シェアするということは、自分にとって良いことも悪いことも共有することです。負担と感じている家事だけでなく、料理や子育てなど夫婦や家族で共有したい嬉しい事も家事には含まれています。シェアすることで家事を楽にするだけでなく、喜びや感動を分かちあうことが出来たり、時間を有効に使って家族と過ごす時間にもっと充てたり出来て、家族の心身共にメリットがあります。
家事シェアには家も関係する!?
家事分担という方法もよく知られていますが、家事シェアは作業内容を明確に分けて行う分担とは意味合いが違い、一緒に家事をしたり、役割分担が無くても出来る人が協力したりして家事を行うという方法です。役割分担が決まっていると、その家事だけ極めておけば良い、把握しておけば良いことになりますが、家事シェアの場合は全ての家事の流れや導線なども把握しておく必要があるので、家事分担以上に家の間取りや、設備に関わってきます。そのため、作業ひとつひとつだけでなく、家全体で家事のことを考える、リノベーションの際に、家事シェアしやすい家づくりを目指すことは役立ちます。
2.家事シェアしやすい家づくりのヒント
家事シェアしやすい家にリノベーションするには、どんな点を意識すると良いでしょうか?家事シェアしやすい家づくりのヒントをご紹介します。
キッチンを使いやすくしてシェアする!
料理が趣味という方は多いため、まずは料理からシェアして協力している方が多いようです。その点でキッチン選びや、配置に注意しましょう。家族が一緒にキッチンに立つことが多いのであれば、調理スペースが広くとれるように、255cm以上の長さは欲しいところです。
また、1人で調理する場合はキッチン周りの通路が70cm以上あれば問題ないですが、家族が手伝ったり、キッチンで作業したりしてすれ違うことがあるなら、100cm~125cm程の通路スペースを確保しておきましょう。
また、家事シェアを阻むキッチンの問題点として、キッチンの高さが合わないため腰が痛くなるから料理はしないという点があります。家族が使いやすい高さのキッチンを選びましょう。しかし、夫婦で身長差があって、合わせるのが難しいと感じる方も少なくありません。高い方に合わせて、ステップ台を使うという方法もありますが、キッチンの調理スペースとは別に、作業台やカウンターテーブルを設けて別々に高さを合わせるという方法もあります。また、対面キッチンにしてシンク側とカウンター側で高さを変えることも出来るかもしれません。
収納位置を分かりやすく!
家事をするためには、掃除道具やストック品などの位置を把握していなければスムーズに行えません。家事をする気はあっても、収納場所や方法が明確になっていなければ、道具の場所が分からず何度も確認しなければいけなかったり、食材や消耗品の在庫を把握できていないために、家族で同じ物ばかり買ってきてしまったりすることもあり得ます。
家族が一目見て分かる収納の仕方や収納場所を決めておきましょう。自分のルールで細かく収納する場所を分けてしまうと毎回伝えなければいけなくなるので、キッチンには、食在庫や食器類をまとめて収納し、一目で分かるパントリールームがあると便利です。また、洗濯物を畳んで洋服をそれぞれの部屋に片付けるのは場所の把握と手間がかかるので、家族全員分の洋服をまとめたクローゼットを洗面所やバルコニーの近くに作っておくという方法もあります。これは、家事の時短にもなって便利です。
家事室とワークスペースをハッキリ分ける!
コロナ禍で、夫婦ともに家で仕事をする家庭が増えているので、家事をシェアするつもりでも、パートナーがする家事の方法が目に付いて結局自分でやってしまったり、家で仕事をしていても家事が気になって集中できなかったりするというケースもあります。掃除や片付けをしたくても、家族が仕事中だから音を立てないように動かなければいけないと、気を遣いすぎて結局家事がはかどらないということもあります。せっかく家事シェアをしても、効率が悪くなってしまえば意味がありません。
家事を協力するため、仕事を集中して充分に行うためには、家事と仕事のスペースをハッキリ分けておくことが役立つかもしれません。集中できるワークスペースを作っておくことも出来ますが、水回りの近くに、家事室を作ることも出来ます。家事に使う道具を収納し、洗濯物を取り込んだり、アイロンをかけたり、家計簿をつける場所としても使えます。家事室にデスクを設置しておけば、ワークスペースとしても利用できるので便利です。
3. まとめ
家事の負担を楽にしたり、それぞれに充実した時間を確保したりする点で、家族が積極的に家事を共有して行う家事シェアは、取り入れたいライフスタイルかもしれません。家事シェアをするためには、家族で話しあうことや、姿勢を変えることが必要かもしれませんが、加えて家事シェアしやすい家にすることも重要です。リノベーション次第で、家事シェアしやすい家に出来るだけでなく、自然に家事シェアできる家にすることも可能です。
家事シェアしやすい家は、家事に関してだけでなく導線がスムーズで過ごしやすい間取や設備が整います。リノベーションの際に、家事シェアを意識したプランニングをしてみてはいかがでしょうか?